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「…で、何か言いたいことは?」

「「「すいませんでした」」」

土下座をしている成人男性3人組(明らかに20代後半)とその集団の前に仁王立ちになっている20前半の男

言わずもがな、先程の酔っ払い集団とAである

歳上が歳下に土下座をするワンシーンはかなり貴重なもので
ソファーに座り暇を持て余した津和はその場を写真に収める事に落ち着いたようだ

Aあと5cmぐらいズレてくれねえかな、と津和が何とも場にそぐわないことをソファーに沈みながら考えていると
どうやら粗方言い終わったらしいAが
目元に疲労を滲ませながら此方に向かって来た

未だに3人は正座を解かず、じっと座っている

津和はそれを横目にガッと音を立ててソファーに沈み込んだAを見、

「お疲れ様」

と憐れみの目と共に言うと

「…んなこと言うなら手伝ってくれてもいいのに」

まるで呆れたようにジトリと半目で睨まれて、津和は生返事を返しながら先程撮った写真を軽快な効果音と共に保存行きにした

3人、右から順に
阿部 逸希、小嶋 陸哉、瀬河 裕人も正座を解き、思い思いの事を行っていた

皆もう酔いが醒めて、特に騒ぐことはないようだ

「あ、Aちゃん」

と先程までずっと眼鏡の手入れをしていた阿部が、先のあの軽い男とは思えないような
真剣そのものの目をしてAのことを呼んだ

「はい、なんですか?アブさん」

そんな視線に思わず背筋が伸び、声を張り上げかけるのを全力で留めて返事を返す

「いや、あのねー…くるよ」

まるで魔法の一言
一瞬にして周りから音が消えた
先程まで騒いでいた事務所内で最も声の大きな小嶋さえも
ピタリと行動、声の全てを止めてしまう

その言葉の先に続くものを見透かしたAは、
答え合わせをすることを目的に何がですかとポツリと問う

「…分かってるくせにさー」

その目的さえ見透かした歳上の余裕を見せながらクスクスと笑う阿部は
答え合わせをしてやることも無く

「まあ、取り敢えず今はこの部屋のものを片付けないとねえ」

と間延びした声でA以外にも聞こえるように声をかけた

そうだねえと猫と戯れていた瀬河も阿部につられたのか、間延びした声で答え
今度は騒がないで下さいよと先の事件を思い出してげっそりと声を返す津和
よっしゃ任せろ!と勇ましく声を上げた小嶋を横目で眺めつつ
Aは掃除の準備に取り掛かった

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作者名:出雲燐華 | 作成日時:2014年12月27日 12時

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