全てを癒す手 ページ7
※目線を変えます
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パトカーが前にたくさん止まっているマンション前。
警察の人たちが黄色いテープを貼って関係者以外の立ち入り禁止をおこなっていた。
警備「ですから、ここは立ち入りできません。
どうかお下がりください‥」
一人の警備員が困った顔でそう答える。
落ち着かせる為に下手に出た行動が、逆に
油に火を注いでしまった。
?「なんでですか!?
私は、ここのマンションの深山さんって人に
着物を届けに来ただけじゃないか!」
警備「事故現場の関係者以外は立ち入りができないんです。それだけなら、受け取っていきますが…」
そう言って女の手に持っている着物を見る警備員。
すかさず、女は着物を守るようにして隠すと警備員を
睨みつける。
私「それはだめっ‥ご本人様に渡すよう言われてるので!」
警備員は諦めて、案内してくれる。
エレベーターで20階に到着すると、関係者が集まっている部屋に通される。
警備「失礼します!
深山さんに直接渡すようにと着物屋の人が着物を届けに来ました‥」
目暮、高木「は?」
深山「あっ、それは私です!
ありがとう、もう済んだから帰って構わんよ!」
深山と出て来た男は着物を受け取ると、笑顔で感謝する。
だが、女はそのまま帰っていく気配はなく、一歩も動こうとしない。
その異変に周りの刑事たちや関係者たちは、目を見張る。
?「まだ用は済んでませんよ‥深山さん♪」
突然喋り出した瞬間、その声に耳を傾ける人たち。
彼女はそれを分かってか…笑みを浮かべる。
深山「他に何の用があるんだね?」
?「フッ‥この事件の真相ですよ」
それを聞いた瞬間、周りの刑事たちは笑い始める。
それは当然だ…さっき来たばかりの着物屋の店員が
事件の状況も聞いていないのに、わかるはずがないのだ。
そんな風に思っていると、女は黙って刑事たちを見守る。
?「‥信じられませんか?なら、話しても無駄ですね!」
そう言ってみせると、刑事たちは「そこまで言うなら話してみなさい!」と強気な態度で、気まずい雰囲気になる。
?「はい、はい…。
ここで起きたのは殺人事件…」
全員「っ!?」
殺人事件と言い当てたことにみんなはピタリと動きが止まって女を見て驚く。
目暮「何故それをっ…」
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作者名:宝妃 | 作成日時:2023年5月12日 1時