◯ック殺人事件 ページ12
騒然となる殺人現場で、悲鳴を上げた女は震えている。
そのそばで、河合は冷静に死体を見ている。
河合「この人はすでに毒殺で死んでいます。
店員さんは警察に連絡してください!
それと、ここの周りには近づかないで‥
この店にいる人たちは外に出ないでください」
店員は急いで電話をしている。
それを見たところで、隣で何か考え込んでいる河合に話しかける。
田中「伶奈ちゃん、どうかした?」
河合「ん?‥いや、遺体の男性の倒れ方がおかしいなと思って」
田中「倒れ方?」
男性の遺体の方を見てると、後ろに倒れている。
それの何が変なのかわからず、首を傾ける田中。
それに気付いた河合は、田中に「遺体の方をよく見て」と指差して言う。
河合「毒で倒れる時の倒れ方としては、いきなり倒れるのではなく膝をついてから、ゆっくり倒れるでしょう?
そうすると、膝や手のひらを床に押し付けたときの、少し赤い跡やゴミのついた跡ができる。
でも、この遺体にはない。つまり勢いよく後ろに倒れたということになる」
田中「なるほど‥でも、すぐに効く毒で倒れた可能性もあるんじゃない?」
河合「いや、そんな強い毒なら…まずこんな倒れ方はしない。前に倒れるはず‥後ろに倒れるなら、何か後ろにもたれかかった時しか…‥‥っ!!」
田中「??」
河合は急に話さなくなる。
田中は不思議に思っていると、河合が「分かった!」と言って他の人たちを集め始めた。
田中(‥たったこれだけのことで分かったというなら、私はとんでもない敵を倒そうとしているのかもしれない)
店員「全員集まりました」
河合「分かりました。皆さん、私はここで起きた殺人事件の犯人がわかりました!」
全員「っ!!」
ザワザワ
河合「犯人は、貴方です!」
そう言って指を差した方を見てみると、さっき悲鳴を上げていた女だった。周りにいた人たちは、驚いた顔で彼女から一歩離れる。
女「はぁ!?私は人なんて殺してないわよ!」
河合「いいえ、貴方は間違いなく犯人です。
まず、この遺体を見てください。
この遺体は、口から甘い匂いがしました。
これは、毒殺の証拠です。
そして皆さんこの遺体を見ておかしいと思いませんか?」
周りの人1「おかしいところなんてないわよ?」
周りの人2「うん、毒で苦しんで倒れたようにしか見えないな」
周りの人たちは、何がおかしいのかとわからない顔で悩んでいる。
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作者名:宝妃 | 作成日時:2023年5月12日 1時