繋がれた手 ページ33
「…と、くん、北斗くん！」
そう何回も呼んで、彼の足が止まる
あの出来事の後、北斗くんに連れられて今はもう朝落ち合った駅まで着いてしまった
その時に繋がれた手は離れることはなかった
松村「…ごめんっ、」
そういって、繋がれてた手がパッと離される
き、気まづい
正直少しだけ酔ってしまっていたからか、あの時何がどうなって今こうなっているのか混乱している
でも、目の前の北斗くんは俯いたまま私の顔は見てくれない
「ほ、北斗くん？そろそろ帰ろっか」
このままだと北斗くんは動いてくれそうにないのでそう言って、電車に乗ろうと促す
松村「Aさんはさ、」
「うん？」
俯いたまま、北斗くんが口を開いた
松村「俺が声を掛けた時、どう思った？」
声をかけた時……。
あの授業のことを言っているのだろうか
それはそれは、学年内でもとても有名な北斗くん
「ま、まつむら、ほくと…」
確か、あの時はびっくりして最初に出たのはこんな声だったけ
今考えても、なんで北斗くんはこんな私に声を掛けたのか、今でも疑問には残る
「6月に席変える人なんて、不思議な人だなーって思ったよ」
そう答えると、北斗くんは顔をバッとあげて思わずびっくりする
目の前の張本人はふふっ、と小さな笑いを零した
松村「やっぱりAさんだね、」
そう言いながら小さな笑顔をこちらに向ける北斗くんはどこか嬉しそうである
「どういうこと？」
松村「いいのよ、アナタは気にしないで」
そう言うと、パッとまた手を繋がれる
「えっ」
松村「帰りましょうか、送っていきますよお嬢さん」
そのまま、2人並んで改札を通る
さっきの出来事に対して何にも聞けなかったけど、今は北斗くんに握られている手を見るので精一杯だった
ねぇ、北斗くん
北斗くんは私と樹の関係、知ってるのかな
その質問は、初夏の夜の暗さに隠れてしまった
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文月(プロフ) - まゆみんさん» コメントの返信、遅くなってしまい申し訳ありません。今のところオチなどハッキリとは決めていないのですが、メインは松村北斗さん、サブで田中樹さんだと思って読んでいただけましたら幸いです＾＾ (2月8日 1時) (
レス) id: aa3dc4d563 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 誰メインですか？ (1月13日 19時) (レス) @page34 id: 66c22866d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文月 | 作成日時：2022年1月16日 22時
