桃黄１−１ ページ4
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保育士として園児のようすはもちろんのこと、その園児と誰よりも近くで接していておおきな影響を与える可能性が非常に高い保護者たちのようすも注意深く見るように心掛けている。
紫「ともひろくんパパ、お疲れ様です」
黄「あ、えっ、えっと…すみません…」
紫「担任の�霤弔任后△茲蹐靴�お願いします」
黄「すみません…」
最近転園してきた中間智洋くんのパパ──イケメンのシングルが来た！と同僚の保育士のなかで話題になっていたが確かに男前だ。だけど何だろう…どこか偽物っぽいというかなんというか、違和感がある──常に何かに追われているようにせかせか忙しそうで覇気のない父親、転園したてで緊張や人見知りがあるとはいえ表情もなければ全然おしゃべりもしてくれない息子──心配な親子だった。
赤「中間智洋の迎えに来ましたぁ、重岡でーす」
緑「しげっ」
事前に中間さんから連絡をいただいていたし、いまの時代さまざまな家庭環境の家族があるからご兄弟で名字が違うくらいでは驚かない。申請済みであれば確認さえ取れたら引き渡しも可能。ていうか、そんなことよりも智洋くんがしれっとしゃべって重岡さんにだっこされてにこにこしていることに驚きを隠せない。
黄「智洋帰るで」
紫「あ、中間さん──…」
転園してからずっとギリギリのお迎えが続いてて、弟の重岡さんや親戚の桐山さんのお迎えにくる回数が増えていたなか、久しぶりにやってきた中間さんは以前よりも痩せこけて顔色も悪かった。
紫「助けたいなぁ……」
って、深入りは厳禁。新人やあるまいし。
でも、なんか、気になってしまうわけで。
桃「おはようございまーす！」
それは突然現れた。中間さんでもなければ、重岡さんでも桐山さんでもない新たな保護者、小瀧。今回も例に漏れず事前に連絡をいただいてるし本人確認も取れたから引き受けるけど、この若造は一体何者なのか。
原因不明のもやもやが続く。これは保育士の勘が働いて何かよくない知らせをしてくれているのかもしれない…ただ確認しようにも小瀧さんが現れてから中間さんは保育園にめっきり姿を見せなくなってしまった。
黄「お世話になってます。とも、帰ろー？」
紫「中間さん！！！」
黄「へっ！？」
紫「わ、すみません」
だから久しぶりに中間さんがお迎えにきて「ともひろくんパパのお迎えだよ、うれしいね」って。それは多分俺のきもち。
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作者名：26 | 作成日時：2022年12月24日 0時
