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赤黄16−2 ページ3



 言語が通用しない1歳児と動物だけど、息子はわんちゃんを叩いたり意地悪をしないし、わんちゃんもわんちゃんで息子にあわせて遊んでくれてなんだかんだなかよくやっている。

緑「癒される」

赤「ほんまな」

黄「あ、せなコケた」

わんちゃんと追いかけっこをしていた息子がすってんと転んでしまった。下は芝だし、ちゃんと手で受け身が取れたから顔やあたまは打たなかったけど──どうかな、泣くかな、泣くよな。

赤「あ」

しばらくコケたままだった息子のもとにすぐ駆け寄ったのは俺でも淳太でもなくわんちゃんで、くぅん…と心配そうに鳴いて鼻先で息子のあたまをなでて息子がゆっくり立ち上がると手助けするように寄ってぺろぺろと芝のついた手を舐めてあげていた。

黄「ふふっ…大丈夫そうやな」

緑「はっ……尊いっ…」

大人たちが座ってるベンチからわんちゃんのリードが届く範囲のなかでずーっと飽きずに追いかけっこしたりボールで遊んでいたひとりと1匹だったけど、そろそろ日暮れが近づいてばいばいの時間。

赤「わんわんにばいばいは?」

息「んやっ」

赤「やーちゃうよ」

緑「今度神ちゃん家おいで。ねこちゃんもおるで!」

黄「やった、神ちゃん家やって!」

息「やっ」

めずらしく嫌だと全力でアピールして地団駄まで踏んでギャン泣きする息子に困り顔の神ちゃんとわんちゃんにひとつ謝って、埒があかないから暴れる息子を半ば無理やりに抱きあげてなだめる。

緑「せなくん、今日はうちのわんちゃんとたくさん遊んでくれてありがとね、また遊んであげてね」

大きくなったらわんちゃんのおさんぽしてあげてな、と神ちゃんにあたまをぽんぽんされたけどぐずぐずでバイバイも出来ず。

緑「淳太としげも、また。ほんまありがとな〜!」

はあ…神ちゃんってやつは。
ほんまよくできたひとやで。謝罪とお礼は改めよう。



赤「あの後しばらく泣き止まなくて…気分転換に出掛けた先でめっけたわんちゃんのぬいぐるみを強請られまして…まあ買うわな。それからはぬいぐるみに神ちゃん家のわんちゃんと同じ名前つけて毎日お世話して遊んでるで」

そんなほっこりエピソードを聞いた照史が雑誌の撮影現場にシーサーとゴーヤーを連れてきたんだけど、神ちゃんたちのおかげで成長した息子がわんわん!と寄っていったら大興奮のシーゴーにタックルされて尻もちついて大号泣──撮影中、小瀧の悲鳴が聞こえたと思ったら息子とシーゴーがなかよくお昼寝してました。

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作者名:26 | 作成日時:2022年12月24日 0時

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