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赤黄２１−１ ページ16

いい夫婦の日'23

　ジュニア時代からイタズラ好きのわんぱくな弟と文句を言いながらも許してくれる優しいお兄ちゃんだと思っていたしげと淳太。少なくともしげは淳太のことが好きなんやろな〜とは思ってたけど知らん間につきあってて。

赤「淳太みてみて。ウェーイ！」

黄「は、何やねん！」

赤「うわぁ！淳太怒った！べろべろばぁ〜！」

黄「マジめんどい！」

そういう変化に敏感だと自負してただけに身近なふたりの関係性の変化に気づけなくてショックやったけど、こいつら恋人になっても相変わらずトムジェリなんやもん。気づかんて。

黄「あ、」

赤「あーあー。何してんの。」

黄「落としてもうた」

赤「ほれ」

黄「ん、ありがと」

かと言って、ふとした瞬間にふたりの恋人っぽいところを見てしまったら、それはそれで見てはいけないものを見てしまったような気まずさと兄弟の男の顔(女の顔)みたいな知らん一面を見てしまったみたいなむず痒さがくすぐったくて見るに耐えないんだけども。


黄「明日のせなのお迎えなんやけど」

赤「俺行こか」

黄「あ、ほんま？」

赤「撮影終わりにひろって、そのまま現場入りするわ」

それも結婚して子どもがうまれると目にする回数がぐんと増えて、こちらもまだ多少のくすぐったさは残れど慣れたものだ。子どもが生まれたばかりの頃なんてパパママやってるふたりを見るのもなんか気恥ずかしかったのに。

弟「こたくんも！」

赤「こたもパパと一緒にいくぅ？」

弟「んーん！まんま！」

黄「ママのお仕事一緒に行こうね」

すっかりパパとママ。
そうなってくると。

赤「わっ！」

黄「ギャッ なんや、うるさっ」

親になっても変わらんふたりにほっとしたりして。



赤「せなぁ、こたぁ、帰るでー」

兄「はーい」

弟「あーい」

黄「ほらお兄ちゃんたちにありがとうとバイバイして」

兄「あそんでくれてありがと、ばいばあい」

弟「ばーばい」

友達みたいで兄弟みたいで、でもちゃんと恋人で夫婦。

桃「……ちょっと羨ましいかも」


20231124

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