赤黄１９ ページ14
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６ヶ月が過ぎたあたり、俺が仕事復帰して環境や生活リズムに変化があったからか毎日刺激が多すぎて寝付きが悪くなり夜泣きがひどくなった。
「よしよし」
俺は俺で未だ慣れない育児と久しぶりの仕事で疲労は溜まっていく一方で毎日毎時毎分毎秒眠たいけれど、しげの反対を押し切って早期の仕事復帰を望んだのは自分自身であり、俺のわがままでまだ赤ちゃんの息子を振り回していることに負い目を感じているから積極的に家事育児をしてくれるしげが夜泣きに気づかずぐーすか気持ちよさそうに眠っていても俺がなんとかせねば！と自分に喝を入れる。
「おむつもミルクもちゃう……」
泣いてる理由がわかってる時は要求に応えたあとおしりやおなかをぽんぽんしているうちに寝てくれるけど、理由がわからなくていろいろ手を尽くしてみても全然泣き止んでくれない時はこっちが泣きたくなってくる。
「ああー…あかん、しげ起きてまう…」
仕事復帰したといっても復帰前にくらべたら１／３ほどしか動いていない俺とちがって、主演ドラマがきまったしげは朝早くから夜遅くまでびっしりスケジュールが埋まっている。ゆっくり休んでほしい。起こしたくない。
「よし、せなくんドライブ行こっか」
以前どうしようもなくなって気分転換に息子を連れて真夜中のドライブに出てみたら元より車に乗ると秒で寝ていた息子がぴたっと泣き止んで寝たから、何をしてもアカンけどしげを寝かしたい時はとりあえずドライブに出るようになった。
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「──っが、……ん、じゅんたぁ…──淳太！？」
真夜中に目が覚めた。いうても目は１ミリも開いてないから今何時で真夜中なのかも曖昧だけど、目を瞑ったまま手探りで隣で寝ている淳太を探してみるが一向に見つからない。ていうか気配を感じない。えっ。えっ。
「おらんし……」
恐怖で飛び起きたら隣で寝ているはずの淳太とベビーベッドで寝ているはずの息子の姿がなくて、すぐにスマホを確認する。暗闇のなかに浮き上がるディスプレイの眩しさに眉を顰めて頼むから出てくれと念じて発信する。
「……おいおい、マジかよ」
ピピピッ…と軽快な電子音を鳴らしながら振動している淳太のスマホがまくらの下から発掘された。
「ほんま心配した、生きた心地せんかった」
「ごめん…起こしたあかんと思って…」
「ありがたいけどおかげで寝不足です」
「……スマホは持って出るようにします」
「そうして。てか俺も任せっきりでごめん！」
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作者名：26 | 作成日時：2022年12月24日 0時
