赤黄１７（★） ページ12
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上の子が３歳、下の子が１歳──ふたりともまだまだ甘えん坊さんだけどこちらが言ってることがなんとなくわかってきてだいぶ意思疎通が取れるようになった弟、ひとりでできることが増えてきたおにいちゃん。
「ふたりとも寝たで」
「ん、ありが──わっ、なに」
「いんやあ？」
お風呂に入ってる間に息子たちを寝かしつけてくれていたしげはリビングに戻ってくるなり、ソファでくつろいでいた俺にのしかかってきた。
「あれ、やなー、子どもの成長はすごいな」
「んー、そやなぁ」
「せながこたのお世話してくれるしさ」
「こたはしげよりせなの言うことのが聞くんちゃう〜」
「おい！…でもおかげで俺らも、こう、余裕が、さ？」
元よりスキンシップやうざ絡みの多いヤツだったけど、ここ最近増えてきた気がする──とはいえ、よくあることに変わりなくて適当にあしらってテレビに視線を戻せば、手をマッサージするようにむにむにと触りながらなんてことない話をしてくるから視線はテレビのまま相槌を打つ。
「…淳太聞いてる？」
「聞いてるよ、でも今日はせんで」
「……ぐぬぬ」
「あのっ、ちょお、聞いて──ッ」
トンッと肩を押されたと思った時にはぐるりと世界がまわって、ソファに縫い付けられてしげにキスをされていた。
「しげ」
「……」
「しげ、こっちみろ」
「……」
バツが悪そうに所在なく彷徨っていた視線がやっとこちら向いた。何を泣きそうな顔してんねん、こいつは。
「しげの気持ちはうれしいよ」
「やったら…！」
子育てがようやく落ち着いてきて増えたそれは不器用なしげの意思表示。３人目どうですかって。俺はほしいですけどって。
「今すぐは無理やん。スケジュールどうすんの？」
「…それはなんとか、」
「ならん。わかってるやろ？」
「……おん…」
ああ見えて常識的なヤツやから。わかってる、わかってるけど素直には頷けないって息子にそっくりな拗ねた顔で葛藤してるわ。どんだけ３人目ほしいねん。うれしいな。
「３人目は女の子がええな」
「あぁーそうやって…ほしなるからやめろぉ！」
「ははっ、ごめんごめん、でも俺もほしいねん」
「……」
「だからシよ」
「は、おま…」
「予行練習、的な。ちゃんとゴムはして、な？」
ガシガシと乱暴に頭をかいたあと、俺の上を退いたから「え、せんの？」と聞けば「ゴム取ってくる！」とキレられた。
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作者名：26 | 作成日時：2022年12月24日 0時
