検索窓
今日:19 hit、昨日:28 hit、合計:25,521 hit

赤黄16−1 ページ2

.

 収録前の楽屋にて、自宅のペットカメラのようすをだらしなく目尻をさげて時折猫なで声をあげながら観ている神ちゃんのおひざにおっちんして息子も一緒になってスマホの画面に夢中になっていた。

緑「ごめーん、遅なってもうた」

黄「こっちこそ無理言ってごめんな」

赤「オフの日にわざわざありがとう」

それから数日後のよく晴れた日。あの日スマホに向かって一生懸命「わんわーん」と呼びかけてる息子があまりにも可愛すぎて、是非一度息子に神ちゃん家のわんちゃんを会わせてほしいとわがままを言ってみた。

黄「わぁ〜、ほんま人懐こいなぁ…やっぱええな」

緑「ジュエルちゃんは台湾におるんやっけ?」

二つ返事で快諾してくれた神ちゃんはオフだというのにわざわざうちの近くの公園まで来てくれて、ハイテンションで淳太にじゃれつくわんちゃんを見て「たまにはいつもとちゃうとこ連れてくるのもええね」と俺たちに気を遣わせない気遣いまで完璧でもう脱帽。

緑「せなくん、こんにちは。もしかして寝てた?」

黄「5分前まで爆睡」

赤「ほら神ちゃんがわんわん連れてきてくれたで」

息「……」

ベビーカーの幌をあげてやると寝起きの顔をした息子は神ちゃん、ぴょんぴょん跳ねてるわんちゃん、それから淳太と俺を順繰りまわった視線がもう一度わんちゃんに帰る。ひとしきりじーっと見つめたあと、わんちゃんを指さして淳太と俺を見上げる。

息「わんわん」

黄「うん、わんわんおるね、かわいいね」

生のわんちゃんに慣れてきたら、神ちゃんが興奮気味のわんちゃんが暴れないようにしっかりホールドした状態で息子と距離を縮める。

緑「せーなくんはじめまして」

息「…………、っわんわん!」

緑「うあーん…あかん、可愛すぎる…」

息「わーわん」

赤「あはは、よかったなぁ。ベビーカー降りるか?」

至近距離のわんちゃんの息遣いにビビって固まりつつも俺譲りのにこにこ天使ちゃんな笑顔で神ちゃんを悩殺してたからイケると思ってベビーカーから降ろしてみたら、しゃがんでる俺に抱きついたままちらちらと振り返って、わんちゃんが気になってはいるけど俺から離れようとしないからまだビビってるっぽい。

緑「せなくんあーそぼ」

黄「わんちゃんがあーそぼ、やって」

息「……」

赤「ほら。怖ないからなでなでーってしてみ?」

息「…!」

わんちゃんに恐る恐る伸びた小さな手にわんちゃんのほうから近づいてきて、くんくんと手のひらに鼻先が触れた。

赤黄16−2→←緑黄9



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (111 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
144人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:26 | 作成日時:2022年12月24日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。