赤井家長女は罪に飲まれる【名探偵コナン】 (ページ3)

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彼女は暗がりに飲まれるページ3

暗がりの中、ひっそりと息を飲む女が佇んでいた。

女は焦っていた。珍しくミッションでしくじったのだ。横腹には血が流れ落ち、呼吸は激しく乱れる。いつもは面倒くさそうに目を細めているものの今は目を見開き、内臓が抉れる感覚に耐えている。

『ｯ…どうしよう…』

相手の状況としては逃げられないことは無い。でも今は違う。

身体中に走るような酷い激痛が途切れること無く神経に響き立てているので思うように動けない。激痛に耐え逃げたとしてもだ。

どうせ血の匂い、血の跡で痕跡が出て、見つかってしまう。ただ、ここでいてもどうせそのうちは見つかる。

そんなことを考えてしばらくたった。流血はいつまでも収まらない服を破いて包帯代わりも考えたが今は破く力も服を脱ぎ捨てる力すら無かった。

ｺﾂｺﾂ…

『っ！！！？？？？』

全神経をおおっていた痛みは途端に軽やかな足音に一瞬消された。

嫌な予感。あの日のようなそんな感覚が彼女の脳を襲った。

あぁ、ここで終わりなのか。彼女は諦めたかのような顔つきで、後ろを振り返った。

次の瞬間酷い目眩がその女を暗がりに飲み込んだ。