彼女は笑みを浮かべる ページ11
社員『いやぁ、赤井さん、遅刻なんて珍しいね〜』
『うるさいなぁ…。朝、色々ゴタゴタしてたから仕方ないじゃないですか…ニコ』
笑顔を作り上げる。口角を上げて目つきの悪い目を細めて、なるべく柔らかい雰囲気を出す。
社員『あら、彼氏かしら?』
『彼氏だなんて…。私にはそんな素敵な方いませんよ。いつか出来るといいですけどね。見た目が男ぽいから出来るかどうか。』
社員『でも、赤井さん、あなた中身が素敵なんだから男に猛アタックよ!!なんならあたしが手伝いましょうか?』
『ありがとう。考えておきますね…ニコ』
口角が痛い。
元々人前で笑うのは苦手だった。笑えないわけじゃない。
人よりも感情表現が下手といえばいいのだろうか。でも世間はそれじゃあ許してくれない。
作り笑いって大切。人間関係も必須。
そうじゃないと見られたくない心情が抉られる。
あの少年の前のように。
そういえばあの少年の前では上手く感情が作れなかったな。なんでだろ。
・
『分からないなぁ…』
分からないことを考えても無駄か。仕事に集中しよう。
生きていくためにも、目標のためにも金が必要だから。
ー
気がついたらお気に入り登録者数が60人超えていてびっくりしました。
本当にありがとうございます。不定期ではありますが完結できるよう精進してまいりますので気長にお待ちください。
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作者名:WR x他1人 | 作成日時:2021年1月31日 19時