PANDEMIC！！～薄命の歌姫と永遠の詩人～【星のカービィ】 (ページ4)

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日常から非日常へページ4

「カービィ～！これ、この前のお詫びのケーキなんだけど……食べるかい？」

ひょっこりと城壁から顔を出したAは白い紙の箱を持っていた
あれから数日後、やっぱり申し訳ないAはカービィやデデデ、城の住人の為にケーキを作ってきたのだった
そして、カービィに渡すため裏庭に来ていたのだった

「ペポ！？ホントに？ホントに良いの！？」
「あーうん、良いの良いの。元はと言えば僕が転ばせたせいだし」

そう言いながらカービィは箱を開けた

中身は実にシンプルなショートケーキだった
大きさもカービィが盗んだものとは２回りほど小さいものだったがカービィには関係ない
実のところ、Aの手料理はスゴく美味しいのだ

「んんん"ん"ん"ん"んぅ～～！おいひい！！(美味しい！！)」
「ははは、そうやって美味しそうに食べてくれるんだ。作ってるこっちも嬉しいよ」

「カービィ！A！」

「ポヨ？」
「あ、メタナイト(丁度逆光だ)」

見上げれば相変わらず高いところにこの国一番の騎士様がいた
しかし、様子がおかしい
かなり切羽詰まった様だ

「話しは後だ、早く城に籠れ！」
「え？や、急になんだい！？」

この前カービィに彼がこの国に侵攻した時の話しを聞く限り、彼はかなり冷静な人物だ
そのメタナイトが慌てるのはただ事じゃない

「カービィ！早く行こう！」
「ふが…ちょっほまふ………うん！行こうA！」

裏口から城内に入ると直ぐ様ソードナイトとブレイドナイトがドアをガッチリと閉めた

「ねぇメタナイト！これどういう事なんだい？」
「メタナイト！三行で頼むポヨ」
「・夢の泉に何かが落ちてきた
・住民がそれに感染
・城に攻めてきた」
「おお分かりやす……って、なにそれ大事じゃないか！」

階段を駆け上がり回廊に差し掛かった

「ワドルディやキャピィが！」

堀を跨ぐ橋はとっくに挙げられているが、今すぐにでも変わりの物を持ってきそうだ
何時もは愛くるしい姿の彼等も瞳がくすんだ金色に染まり、禍々しい紫のオーラが目に見えた

「カービィ！玉座の間に入ったら陛下からの説明がある。今言うのもなんだが、何か置いてきたものは無いか？」
「(本当に今更だな………………あ)」
「ポヨ？何にも無いよ？」

「ごめん、カービィ、メタナイト…

.

地下に『わすれもの』してきた……」

「え」

濁点が付きそうな『え』は外の喧騒に掻き消された