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「そ、それに……さ。Aちゃんは本当に良いわけ? 俺なんかと、あ、逢い引きしてくれるの?」
『えっ、え?? し、しないの????』
ウソ、しないの。も、もう明日にでも行く気で実は部屋にお着物も用意しちゃったのに…
と言うと、善逸くんは真っ赤になって口元を手で覆った。
「え、え、可愛い…嘘でしょ、なんでそんな可愛っっ…
…………結婚する??」
『? ううん、しない。』
「んな……っ!! なんで??!」
『善逸くん。…今の私たちの話題は、結婚するかしないかじゃなくて、デェトするかしないかだよ』
「するに決まってんでしょうが!!!!!! どっちも!!!!」
『話聞いてた??????』
結婚はしないって言ってるんだけどな?
善逸くんの耳はもうダメになってしまったのかもしれない…悲しいことだ…。
「ちょっと、ダメになってないから!!! 聴こえてるから!!!! 君が考えてることまでばっちり聴こえてるわッ!!」
『ほんとう?? 良かった。』
齟齬がないように改めて確認をすれば、なあんだ。
逢い引きも“する”で良いらしい。
実は既に、しのぶさんに 明日の外出許可を貰っている(勿論ふたり分を)と言えば、
「っふ、ふぅん……?」
と、善逸くんはやや呆れた目をしながら、だけど嬉しそうに息をついた。
それを見ていたら、なんとなく身体が浮いてしまいそうなほど軽くなったように思えて。
どきどき胸が高鳴る。世界がまた、キラキラして見える。
『……えへへ。』
口笛の吹き方は知らない。御行儀が悪いとかで、禁止されていたし、自分で吹こうとも思ったことがなかった。
だけど、もし吹き方を知っていたなら、きっと私は今の気持ちを奏でていたと思う。
…いや、嘘かも。頬が緩んで、上手く音が鳴らなそうだし。
だらしなく緩んだ口角を、一度持ち上げて、もう一度下ろす。
『…んふ。楽しみだね、善逸くん。』
キラキラしてて、だけど少しむずがゆい。
その感情の名前がわからなかったから、「楽しみ」という名前を付けることにした。声に出して、覚える。
うん。楽しみ。明日が楽しみだ、私。
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。 - この小説好きです。善逸面白いし、絡みが面白いし、甘酸っぱいし……最高です (5月18日 21時) (レス) @page16 id: dd7c50f6d5 (このIDを非表示/違反報告)
朝餉。(プロフ) - 優美さん» 初めまして! コメントありがとうございます!! 楽しみに思っていただけて私も嬉しい限りです♪ これからも更新頑張りますので、よろしくお願いします! (5月12日 20時) (レス) @page35 id: a15d3d111b (このIDを非表示/違反報告)
朝餉。(プロフ) - AYUMIさん» コメントありがとうございます!! 頑張ります! もうしばらく焦れったい2人の様子をお楽しみくださいませ!笑。 (2023年4月27日 22時) (レス) id: a15d3d111b (このIDを非表示/違反報告)
朝餉。(プロフ) - Komachiさん» コメントありがとうございます!! 励みになります。 大変お待たせいたしました! 不定期にはなりますが、これからもうちの夢主と善逸くんを見守っていただけたら幸いです(*ˊ˘ˋ*)♪ (2023年4月27日 22時) (レス) @page26 id: a15d3d111b (このIDを非表示/違反報告)
優美(プロフ) - 初めまして!更新ありがとうございます!好きです。夢主が恋だと気づく瞬間だが楽しみです‼︎大変だと思いますが、今後も頑張ってください! (2023年4月25日 20時) (レス) @page25 id: 51a966adba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朝餉。 | 作成日時:2022年2月16日 19時