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美味しい餡蜜を食べて、私も善逸くんも同じように気分上々になった。
甘いもの好きな人間とは、大抵このように単純なのである。




『ねえねえ善逸くん、次ここに来たらぜんざい食べよ。絶対美味しいよ、ここのやつ』


「ェ゙ッ、つ、つつつつ“次”!? 次があるんですか!?!???!???!」


『?? もし来ることがあったらの話で、行くとは行ってないけど』


「冷たッ!!? 思わせぶりなのか冷たいのかわかんないんだけどっ!? 俺をどうしたいの?!!??」




ひとりでなにやら盛り上がって騒いでる善逸くんを横目に、煎茶を啜る。
やつ時を過ぎて、気付けば太陽が西に傾く頃だ。





「……てかさあ、Aちゃんは最初 餡蜜じゃなくてぜんざいにしようとしてなかった?」


『え? まあ、うん。ぜんざいが美味しそうだなって“気がした”から』


「…………なんで餡蜜頼んだの?????
ぜんざいも餡蜜も食べたかったんなら、2つ頼んで半分こしたのに」


『ん? ああ そっかあ、その手があったか。それもいいねぇ』






流石、善逸くんはよく見ている。

そうそう、この甘味処に着いた時は、ぜんざいが美味しそうだなあって思って。
別に口に出したりしてないんだけどなあ。






『でもだって、今日は善逸くんといるじゃない』


「え……? え? お、俺??」


『直感で決めるだけならいつだって出来るでしょ?』



えっと、なんていうか。別に特別なことじゃないんだけど。
上手に伝えられるかな、とちょっと言葉を探した。




『…せっかく善逸くんと此処に来たんだから、それらしいものを同じに、一緒に食べたくて。真似しちゃった!』



「…………へ……?」





つまりはまあ、ざっくり言ったところ私が只の「お揃い好き」なだけなのであるが。





『えへへ。今思うと、半分こでも良かったかも?
でも、<餡蜜とぜんざい>の思い出より、<餡蜜の思い出>の方が、きっと思い出しやすいよ! 私でも覚えていられそう!』




それに、善逸くんと食べるなら、なんだろうと美味しいからあまり関係ないのだ。
そんなの直接言うのは気恥ずかしいから、黙っておくけどね。



「ぁ………………あ、……うゎ、…………」


『?』


「すきぃ………」




善逸くんが顔を両手で隠して、蚊の鳴くような声でそう呟いた。

よく分からないけれど、嬉しいなら良かったあ。なんて、中身のないことを思って、お茶を飲み干した。

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- この小説好きです。善逸面白いし、絡みが面白いし、甘酸っぱいし……最高です (5月18日 21時) (レス) @page16 id: dd7c50f6d5 (このIDを非表示/違反報告)
朝餉。(プロフ) - 優美さん» 初めまして! コメントありがとうございます!! 楽しみに思っていただけて私も嬉しい限りです♪ これからも更新頑張りますので、よろしくお願いします! (5月12日 20時) (レス) @page35 id: a15d3d111b (このIDを非表示/違反報告)
朝餉。(プロフ) - AYUMIさん» コメントありがとうございます!! 頑張ります! もうしばらく焦れったい2人の様子をお楽しみくださいませ!笑。 (2023年4月27日 22時) (レス) id: a15d3d111b (このIDを非表示/違反報告)
朝餉。(プロフ) - Komachiさん» コメントありがとうございます!! 励みになります。 大変お待たせいたしました! 不定期にはなりますが、これからもうちの夢主と善逸くんを見守っていただけたら幸いです(*ˊ˘ˋ*)♪ (2023年4月27日 22時) (レス) @page26 id: a15d3d111b (このIDを非表示/違反報告)
優美(プロフ) - 初めまして!更新ありがとうございます!好きです。夢主が恋だと気づく瞬間だが楽しみです‼︎大変だと思いますが、今後も頑張ってください! (2023年4月25日 20時) (レス) @page25 id: 51a966adba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朝餉。 | 作成日時:2022年2月16日 19時

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