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「 え、誕生日パーティーに!?」
「うん」
「 で、 行くの??」
「どうしようかな〜って」
「へ〜、 牧野も誘われたんだ」
「っ⁉」
「花沢類っ…」
び、びっくりした。
いきなり現れるのは勘弁してほしい。
…まぁ、ここ 非常階段だし 何となく予想はしていたけど。
「司から直々に誘われたの?」
「それはない…んだけど。
まさかの道明寺のお母さんからでさ…」
「え?」
「司の母さん?」
「私も、何が何だか…」
「そっか。 それは なんか行くの迷っちゃうよね…」
一体道明寺さんのお母さんは何を考えているんだろう。
「でも、 行ってみたら?」
「え?」
「 どうせなんだから 司に想い伝えなよ。」
「で、でも」
「大丈夫。 俺も行くから」
「そ、そうだよ。つくしちゃん!
何かあったら、 ぐちゃぐちゃにして帰っておいで…!」
「時々Aってすごいこというね…。
でも、 せっかくだし 行ってみようかな…」
「うん。 それがいいよ」
類も一緒なら大丈夫だろう。
つくしちゃんは誕生日パーティーに行く気になったみたいで、勉強をするために戻って行った。
そして今。
久しぶりに類と2人になる。
どうしよう。 とても気まづい。
何か喋らなきゃ…、
「つ、 つくしちゃんってさ」
「…?」
「可愛いよね」
な、何をいってるんだ 私。
唐突にそう言った私を類はじっと見ている。
「 いつも必死で 一生懸命で。
ちょっと不器用なところもあるけど 優しくて
私なんかよりずっと強くて 逞しくて」
止めたいのにどんどん溢れる言葉。
…私なんかより 自虐的になってしまう自分がもっと嫌で 。 わかってるくせに それを言葉にしてしまう自分がもっと嫌いで。
嗚呼ダメだ。最近ずっとこの調子だったことを忘れてた。
「私、 つくしちゃんみたいになりたかった。」
馬鹿だ。 私。
こんなこと 類は呆れるだろう。
こんなやつと一緒に居てしまうことに後悔しちゃうだろう。
「ご、ごめんね。 こんな話をしたいんじゃ」
「 牧野は牧野。アンタはアンタ。」
「え…」
「一生懸命で 誰よりも優しいから 無理ばっかして
自分のことを後回しにする」
「…」
「もっと 自分の言いたいこと 口に出したら?
…今みたいに。」
そういうと 類は 私の頭に軽く手を乗せると
その場から去っていった。
「…。」
自分のいいたいこと…
そのとき思わず 涙が頬をつたった。
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亜茄璃(プロフ) - 続き凄い気になります。更新楽しみにしてます。 (2022年11月17日 23時) (レス) id: 2914b03188 (このIDを非表示/違反報告)
mion(プロフ) - 続きが気になる!更新頑張ってください(^∧^) (2022年4月30日 14時) (レス) @page1 id: c9b2ea0184 (このIDを非表示/違反報告)
しょぴ(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみに待ってますね♪ (2018年3月8日 6時) (レス) id: bb4b375881 (このIDを非表示/違反報告)
アルジャーノンw(プロフ) - この話さいっこうです!!とても面白いです!!!いつも見るのが楽しみです!!これからも楽しみにしてます!!頑張ってくださいね!! (2017年3月28日 11時) (レス) id: 39a3654b5d (このIDを非表示/違反報告)
沙羅 - 柊さんの言う通り「・・・」が多かったね。それがなければもっとよかった。類の「・・・」は良かったし、分かったけど……。それ以外で言うことは、まず面白かった。とても良かったです。続きはいつ書きますか?応援しています。 (2015年12月10日 17時) (レス) id: 75d01a0da6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:林音 x他1人 | 作成日時:2014年8月1日 0時