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あれから何日か経った。

私はというと類とは気まずくて近づくことができずにいた



屋上に行くにも白藤くんが居るわけで
居場所という居場所がなく
行く宛もなく....

「はぁ...」

ため息ばっかりついている


友達もいなければ
行く宛もない。

この学園に来てそれは普通になったはずなのに

それが当たり前になったはずなのに


「…」


ふとした瞬間
それが悲しく思えるのだ。
ちっぽけに思えるのだ



「弱虫...」



ぽつり呟いた


「弱虫か...」

突如後ろから声が聞こえた。
それは聞きなれた声で振り返らずとも誰だかすぐにわかった

「る、類っ」

一番今会いたくない人だった。
会ったら困る人だった

類はというとそんなのお構いなしに私に近づいてくる


私は少し類から目を背けた。
類は私に近づくとちらっと私のほうを一目みた。


「最近どこにも居ないからどうしたのかと思った」


「別に ..特に理由はないんだよ」

「ほんと?」


「うん」


嘘つきな私をきっと類は気づいているんだろうな。

「そっか..」


だけど類はそこから踏み込もうとしない。
 だから私は彼と居れるのかもしれない


「牧野、ニューヨークいくらしい」

「知ってる」


つくしちゃんが行ったらいよいよ話せる人が居なくなるじゃないか
なんてそんなことも本人にはもちろん言えずにいるわけで...


そんなことを考えてるとふと一つ疑問が浮かんだ

「..類は行かないの?」


つくしちゃんとは言え、流石にニューヨークに一人は心配だ。


「行ったら、Aの面倒 誰が見るの?」

「え...」

類は優しい。
私が今、弱くなってることに気づいててきっとそう言ってくれているんだろう
だから


「自分の面倒ぐらい自分でできます〜っ」



だからこそ私に縛られたらいけないんだ

「私のことは大丈夫だから」


精一杯の嘘だった

これもきっと類は気付いているだろう。
でも類は何時も下手くそな嘘に付き合ってくれる

「..あんたがそう言うなら大丈夫か」


「うん、 大丈夫 だよ」



そう言って私は無理矢理笑顔をつくった

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亜茄璃(プロフ) - 続き凄い気になります。更新楽しみにしてます。 (2022年11月17日 23時) (レス) id: 2914b03188 (このIDを非表示/違反報告)
mion(プロフ) - 続きが気になる!更新頑張ってください(^∧^) (2022年4月30日 14時) (レス) @page1 id: c9b2ea0184 (このIDを非表示/違反報告)
しょぴ(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみに待ってますね♪ (2018年3月8日 6時) (レス) id: bb4b375881 (このIDを非表示/違反報告)
アルジャーノンw(プロフ) - この話さいっこうです!!とても面白いです!!!いつも見るのが楽しみです!!これからも楽しみにしてます!!頑張ってくださいね!! (2017年3月28日 11時) (レス) id: 39a3654b5d (このIDを非表示/違反報告)
沙羅 - 柊さんの言う通り「・・・」が多かったね。それがなければもっとよかった。類の「・・・」は良かったし、分かったけど……。それ以外で言うことは、まず面白かった。とても良かったです。続きはいつ書きますか?応援しています。 (2015年12月10日 17時) (レス) id: 75d01a0da6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:林音 x他1人 | 作成日時:2014年8月1日 0時

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