残念美人、通ります。 (ページ22)

今日:13 hit、昨日:6 hit、合計:102,342 hit

通ります２２ページ22

.

「失礼しま～す」

そんな及川の軽快な声に、烏野高校の排球部の皆さんはこちらを向く。

「め、女神！！！」

「女神が舞い降りたぁ！！」

そんな中、騒いでいるのは坊主の少年と、小柄な少年。

女神と言うのが何なのかは分からないが、何故か彼等は涙を流す。

『賑やかな所だね』

「渚先輩！！」

確かに名を呼ばれ、声の方を見れば、懐かしい顔があった。

『影山か、お前烏野だったんだな』

影山も中学の時に知り合った可愛い私の後輩だ。

「え！飛雄ちゃんも渚ちゃんの事知ってんの？！」

『あぁ、中学の時にな』

影山が入学したての頃に、道に迷っていたところを助けてやったのだ。

同じ中学だし顔を合わせる事も多かったため、連絡先もその時に交換した。

「俺知り合ったの高校入ってからだよ？！」

『絡まれると面倒だろうと思ってたからな、案の定面倒だったよ』

昔は関わりたくなくて及川が来るよりも早くに学校に来て、会わないようにしていた。

まぁ、今はそんな事は思っていない。

いじり甲斐があると思っている。

拗ねる及川を他所に、私は烏野高校の先生、主将、選手、マネージャーの方に挨拶をしに行った。

.