Vacation : 54 ページ4
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夏課題に全く手をつけてないことに気づいたのは夏休みが終わる1週間前
普通の高校だからこそ課題は多いわけで
今までしようともしなかった自分がかなり疑問
…こんなんで大丈夫か受験
朝からぶっ通しで答えを写し続けて今は午後8時
まだ半分も終わってないや
3分の1?…4分の1かな、いや、5分の1か
机の隅に積み上げられたテキストを見てため息がでる。
恋愛なんかに現を抜かしてる暇なんてなかったんだ、うん
ちょっと休もうと机に突っ伏したとき
聞き慣れた着信音が私の睡眠を阻止する
どうせ、芹夏。
また長妻くんとの惚気でも聞かされるのかな〜
このタイミング悪い感じで電話かけてくるのもとことん芹夏だな
そんなことを思いながら、
出ずに怒られることを恐れた私は渋々電話に出た
「なにー、寝たいんだけど」
「何が寝たいやねんゴラァ」
「だって眠いんだもん、せり……
ん?
んん???
芹夏って関西弁だっけ?
たまーに使ったりするけどこんなに上手くないよね、完全なるエセ
「おい」
黙り込む私の耳にもう一度聞こえた声
「え…廉?」
驚きのあまりスマホを落としそうになる
さっきまでの眠気なんてふっとんで、廉の声に全神経、全細胞が集中していた
「東條さんと間違えるとか、お前そろそろ末期やな」
「だって芹夏ぐらいしか電話かけてこないし」
「じゃあ俺も電話かけたるわ」
「やめてよ気持ち悪い」
なんでこう、期待させるようなこと言うかなあ
また曖昧にして終わるくせに。
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作者名:リ ン | 作成日時:2018年4月15日 21時