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「へえ、ここ。黒にしては小綺麗だね」
「…大将は、綺麗じゃないと歩きにくいと言って、燭台切の旦那や歌仙の旦那に掃除をさせたんだ…」
「どうする？俺たちはレプリカだから偽装できると思うが。」
「…それでいこう。」
その二振は息を潜めて、誰がいるかもわからないほどになった。
_____
亜種だ亜種だと言い逃れできたのももう最後。
なんてったって、
「君、随分と俺に似ているな」
「へえ、自分みたいなのが目の前にいるとそわそわするって本当だったんだ」
ご本人(同位体)登場。
「あー、あーっと…」
「…先手必勝！逃げるぞ姉者」
「じゃあねー」
流石は高速太刀。その機動を生かし、見事逃げ切った。
…まあ、これも政府の実験の賜物なのだが。
黒く内でとぐろを巻くような霊力の根源を辿るとそこには、審神者部屋があった。
「あった…玩具箱だね♡」
「そうだな姉者。生け捕りにしてくる」
…平然と言ってのけるが、かなり恐ろしい事を口にしているとは分からないのだろうか。
_____
人の身も悪くはない。
なぜなら…悦楽を楽に得られるからだ。
「さあて…公開処刑と行こうじゃないか」
「…俺たちの主をどうするつもりなの？」
「主ではない。審神者と呼び給へよ」
「んふふ、公にしながらなんて何年振りかなあ」
「一カ月程ではないか、姉者。単位が違うだろう」
初期刀…加州清光は黙って眺めていた。
あんなに無垢な顔のひとの子が_____
ここまで醜悪に歪んでしまうとは。
「だがここは君らの意見に任せよう
我々にできることならいかほどの事でも引き受ける」
「…俺は、二振に頼もうかなって」
続けて俺も、僕もと意見が上がる。
「…となると。姉者」
「はいはーい、短刀やら脇差は帰ってねー
あと蛍丸も」
別にかの大脇差は帰らせなくても良かったのだが、まあ面倒臭かったらしい。
蛍丸は小さい子と同じ扱いをされて少し嫌だったのか、渋々帰っていった。
「かなーりぐろてすくだよね」
「姉者、片仮名だ。平仮名ではない」
「ありゃ？そうだっけ？」
全く、と言うように虚空は黒い手袋を嵌めながら溜息をついた。
まるで、生まれたての子鹿のように震わせる体をいなす事もできない審神者を横目に。
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作者名：冷 凍 湖 | 作成日時：2018年4月2日 6時
