【歌い手短編集】平成最後の夏は君と！ (ページ7)

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'' 好き ''の気持ちページ7

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体育の授業でプールに入ってるクラスのみんな
そんな中私だけ、私ひとりだけ制服で学校の校舎を眺めていた

プールに入っている水が太陽の光を反射してキラキラと光ってる

「なぁ」

プールの方から声をかけられて目を向ける
目の側にほくろがある男の子に声をかけられた

女子の中でも男子の中でも人気な男の子で私とは無縁な男の子だ

「そこのさ、タオルとってくんね？」

私のすぐ隣に置いてあるタオルが目に入った

「これでいいん？」

「おー」

私は、彼の元まで近寄って濡れないように気を付けながらタオルを渡す

「泳ぐん楽しい？」

「えっ、あー、まぁ……な」

「ふーん…そっか」

確かにみんな笑ってるもんな
私は、楽しいって思ったことないんだけどなぁ

「A、タオルまた同じとこ置いといて」

「…名前で呼ぶやつ初めてや、高校に入ってから」

高校に入ってから、一度も下の名前で呼ばれた事なんてなかった

ずっと

「下の名前で呼んだらアカンかった!?」

「いいよ」

「マジ!?」

表情をころころ変えながら笑う彼が面白くてつい笑いそうになる

「あっ、俺のことも志麻ってよんでええよ」

「志麻君？」

「そうじゃなくて、呼び捨てで!!」

いきなり呼び捨て？
私にはハードルが高いんですけど

なんて、思っても彼は「はやく」とうるさい

「わかったから、し、志麻…」

なんの反応もなく気になって彼を見ると顔を真っ赤にしていた

「え、ちょっ、大丈夫？」

「どうしたん、兄ちゃん」

ざぶざぶと水の音がして駆け寄って来てくれた彼の双子の妹ちゃん

「何したん？」

「呼び捨で呼んでって言われたから呼んだら顔真っ赤になった」

なるほど、って頷きながら言う彼女

「…気にせんで大丈夫」

「本当？」

「あはは、いつものことだからだいじょーぶ!!」

いつも一緒にいる彼女がそういうのなら大丈夫なはず

「それより、Aって呼んでいい？」

「えっ、うん」

「あっ。そうだ、今度さ一緒に」

そこまで言ったあと何を言ったのかわからなかった
彼女が口を彼に手で塞がれてたのだ

「はい、そこまでなー」

そう言って遮る彼に怒る彼女
それを聞かずプールから出る彼

「先生、こいつ体調悪いみたいなんで保健室連れてくわ」

と、腕を捕まれそのまま保健室へと連れていかれた