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目の前で床に落ちたキャンパスノート。パサリと音を立てて、ページが開く。
手を伸ばして拾い上げると、その中が目に入った。
丁寧にまとめられた公式。規則正しく並んで解かれた数式たち。
字が綺麗だなあ。きっと几帳面な性格をしているんだろう。
そう思って顔を上げ、ノートの持ち主にそれを差し出す。
「あ……ありがとう」
ぺこりと頭を下げ、逃げるように教室へ行ってしまった彼女。
後から聞いた話、愛想の良くない俺を彼女は怖いと思っていたらしい。それ故の行動だったとか。
それが、俺とAの出会いだった。
定期テストの生物で、その再試でも、俺が合格点をとったことはまず無いと言って間違いないだろう。
ここまで来ると苦手教科なんてレベルじゃない。ただただ相性が悪いだけだ。
とうとう顧問に、再試で合格点をとらなければ次の試合には出さないなんて言われる始末。
海を頼りたいのは山々だけど、あいつは賢すぎるからダメだ。
頭が良すぎる奴にとって、頭の悪い奴の思考は理解できないんだろう。
事実、海は俺が分からないところを分からないという節が多々ある。
悩みに悩んだ挙句、思い出したのはあの丁寧にまとめられたノートで。
「ねえ、」
「え……わたし、？」
「うん」
驚いたように顔を上げたクラスメートは、ついこの間ノートを拾ってやった彼女だった。
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ちよこ(プロフ) - 草村 みゆさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると、書いていてよかったなあと思えます(; ;) 嬉しいです(; ;) 気まぐれな更新が続くかと思われますが、今後ともお付き合いくださると嬉しいです！ (2017年10月9日 23時) (
レス) id: 96b79ece7b (このIDを非表示/違反報告)
草村 みゆ(プロフ) - この話すごく好きです！ 続きも楽しみにしてます＼(^o^)／ (2017年10月1日 17時) (レス) id: d19d8cf885 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちよこ | 作成日時：2017年8月16日 19時
