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慣れない下駄を鳴らしながら待ち合わせの鳥居へ迎えば、人がごった返す中に彼を見つけた。
……浴衣、着てくれてる。
話をした時、あまり乗り気じゃなさそうだったから期待はしていなかったけれど。
やっぱりカッコイイ。周りの女の子が、一旦通り過ぎてから自然と彼を振り返ってる。
離れたところからぽーっとその姿を見ていたら、彼が顔を上げて、私を視界に捉えて。
組んでいた腕を解いたその隣に駆け寄る。
「ごめんね、待たせちゃって」
「俺もさっき来たとこだよ」
そう言った彼を見上げると、ぴたりと視線が重なって。
すぐに向こうが照れくさそうに目を逸らすもんだから、私の方が恥ずかしくなった。
「何か食う？」
「あー……あんまり、お腹空いてないっていうか」
緊張して食事どころじゃないっていうか。
そんな私の本心には気づかないのであろう。ふーん、なんて気の抜けた返事をした彼。
「俺は焼きそばかなあ」
「ふふ、わかった」
「ちょっと付き合って」
笑った彼の後ろをついていく。
人混みの中、はぐれないように手を繋ぎたい。なんて私の理想なのか。はたまた乙女の夢に過ぎないのか。
やっとの思いで追いつくと、兄ちゃんカッコイイからコレおまけしてやるよ！なんておじさんの声と、笑顔の拓弥くん。
焼きそばの上には、ほかのものとは違う、美味しそうな目玉焼きが乗せられていた。
「すごいね、おまけだって」
「な。ラッキー」
「カッコイイって得だなあ。いいなあ」
近くの石段に腰掛けて、焼きそばを食べる拓弥くんの隣に座る私。
美味しそうな匂いが鼻をくすぐって。
彼が半分と少しを食べ終えたくらいだろうか。思わず視線をやると、彼とバッチリ目が合ってしまった。
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ちよこ(プロフ) - 草村 みゆさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると、書いていてよかったなあと思えます(; ;) 嬉しいです(; ;) 気まぐれな更新が続くかと思われますが、今後ともお付き合いくださると嬉しいです！ (2017年10月9日 23時) (
レス) id: 96b79ece7b (このIDを非表示/違反報告)
草村 みゆ(プロフ) - この話すごく好きです！ 続きも楽しみにしてます＼(^o^)／ (2017年10月1日 17時) (レス) id: d19d8cf885 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちよこ | 作成日時：2017年8月16日 19時
