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先程薄く開けた視界に写ったのは家の近所、もう降りなきゃ行けないのは分かっていたが心身ともに疲れて重いし中途覚醒の頭はイヤイヤ期に幼児退行している
「子供みたいにはしゃぎよってからに」
そんな説教じみた言葉がくどくどと聞こえて来る方向に向かって『降ろして』の意を込めて腕を伸ばすと、お前自分の体重わかっとんのか！とデリカシーのないツッコミがぶつけられる
「とりあえずAさんそのまま乗せて、シッマたち送ってからまた来よか？」
「いや、甘やかさなくてええでトントン。このまま放置したらガチ寝して席に根はるに決まっとる」
オカンモードのロボロよりも数段優しいトントンくんの声が聞こえて、それをぴしゃりと退けるオカン
「ゾム来て！A引き摺り出すぞ」
「はいよ〜」
女の子1人車から下ろすのに男2人使うのはどうなの、本当に私重いのかな、なんて動かない頭で考えながら手首を掴まれそれを甘んじて受ける
意識がない人間は重いっていうし、そういうことにしよう
引っ張られて重心がぐらつき、引き摺り出された後に2人がかりで体を支えられふらふらと道路に躍りでた
そのまま園児扱いのロボロに「ほら！お礼は？」と促される
「ぁひがとおございました…」
トントンくんはその情けない感謝の言葉に謎に大ウケし、笑いと笑いの間で「偉いなぁ」と返事をしてくれた
こちらも園児扱いである
走り去る車を見送る、といってもほぼ目を閉じていたので遠ざかるエンジン音だけ聞いて…残っていた理性も消えて2人にさらに体重をかけた
「ヒハハ！どんだけ疲れとんねん」
「めっちゃ動き回ってたからなあ」
重みを受けて尚引きずって帰路につく2人、いつの間にか大きく身長差ができてしまったゾムの体に頭も預けた
「たのしかったよ」
ふやふやの私の言葉が、たんぽぽの綿毛のようにふわふわと浮かぶ
2人は子供が言葉を紡ぐのをまつ親のように…さっきまでポツポツとあった会話が一時的に終わり無言のままずるずると前進する
「だから、またぞむもいこう」
そこを埋めるように吐いた願望に、ロボロが意地の悪い笑い方をして、ゾムが小さく溜息を吐く
「…せやなあ、来年は行こか」
子供を寝かしつけるときみたいな穏やかな声が返ってきて、それに安心して更に睡魔に身を委ねた
こいつは約束を違わない男だから
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燕(プロフ) - りぃさん» りぃさんコメントありがとうございます！嬉しいです！この夢小説だけど恋愛じゃ出せないぬるい感じを上手いこと汲み取っていただけて大変嬉しいです。これがこの子達にとっての完璧です…！ (2023年2月8日 7時) (
レス) id: 3ea3cbd8c6 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ - 距離近くて仲良くて普通なら勘違いされそうな感じ、でも3人でつるんでるからそういうのはない、でもお互いに近い感情持ってるちょっとドロドロした感じめちゃくちゃ好きです…哀愁漂うけど重くない雰囲気最高です、語彙力がないですが伝われば幸いです！頑張って下さい (2023年1月10日 10時) (レス) @page30 id: ed9e6e4b74 (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - Roinさん» ありがとうございます！まさに！キラキラの友情と滲む羨慕のバランスがお気に入りです！ (2022年12月18日 16時) (レス) id: 3ea3cbd8c6 (このIDを非表示/違反報告)
Roin(プロフ) - このなんとも言えない距離感とうっすら感じてる劣等感がめちゃくちゃ好きです．．．!!!! (2022年7月20日 13時) (レス) @page26 id: d96272803e (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - すまいるさん» 嬉しすぎるお言葉ありがとうございます！ご期待に添えるよう頑張ります…！ (2022年3月16日 17時) (レス) id: 3ea3cbd8c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燕
| 作成日時：2021年7月15日 14時
