七草の双子の妹は最強でした

第二十七話 ページ37

『それで、結果は？』
訪ねる声が弾んでいる。つまり、期待を隠し切れていないところを見ると、真由理も普通の高校生と言うところだろう。
鈴「完全な失敗です。普通に魔法を連続発動するより、むしろ急激な要求干渉力の上昇が認められたとレポートされています。」
真「……そう」
それだけに、期待を裏切った(？)鈴音の報告に、がっかりした感も隠せていないようだ。
真由美も真由理も、ガッカリしているようだ。
『理由って、かかれてる？』
鈴「いえ、そこまでは。真由理さんはどう考えですか」
鈴音に反問され、真由理は考える仕草をし
、「うーん」と考え込む。
『先行する魔法の作用は止まっているはずよねぇ……達也君はどう思う？』
真由理が達也に訪ねたのは、自分の考えをまとめる時間稼ぎ。本気で解を求めたわけでない。
達「市原先輩があげられたイギリスの実験は、基本的な考え方が間違っています」
なので、達也から返された断定口調の答えは、完全に真由理の意表を衝くものだった。
『……どこが間違ってるの？』
目を白黒差せながら、辛うじて問い返した真由理に、達也は誇るでもなく傲るでもなく、淡々と説明する。
達「終了条件が充足されていない魔法式は、時間経過により自然消滅するまで対象エイドスに留まります。新たな魔法で先行魔法の効力を打ち消す場合、先行魔法は消滅しているように見えますが、それは見かけの上だけのことです。」
真由美たちは食い入るように達也の顔を見ているが、達也の無表情は変わらない。
真由理もじっと達也をみた。

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