才能なんてないから(2)

帰り道 ページ20

何故か山口に誘われて僕は山口と月島のふたりと共に帰路に着く

今日は神崎さん家に行こうと朝から決めていた。

(居心地いいからって長居しないようにしないと)

そんなことを思いながらただただ歩く。帰り道の途中にある公園あたりで後ろから「月島ーーー！！」と叫び声が聞こえた。

この場にいる3人はきっと同じことを思ったに違いない。それ以外は考えられない。

(うるさい、近所迷惑でしょ)

「勉強教えてくれ！さい」

素直に教えてと頼む日向と一切頼まない影山。「嫌だ」と断る月島を宥める山口は結構良い奴だなと思う。

それに比べて月島はどこまでもひねくれている。「王様も頼みなよ」なんて言い出すんだから。

まさか本当にお願いしますと言うとは思っていなかった僕は、影山が頭を下げたことに驚きを隠せなかった。

まあ、語尾にコラァ！がついていたのは無視をしようと思う

「…教えてあげれば」

あの影山が人に頭を下げてお願いしたのだ、少しくらい教えてあげてもいいのではないかと思った

「なら山崎が教えたら？君僕より頭いいよね」

「え、嫌だけど」

なんで僕がわざわざ勉強を教えなきゃいけないのか分からない。それに

「部活ないなら練習おいでって及川さんに誘われてるし」

せっかくだから2日に1回とかのペースで行こうかなと思った。それに神崎家にも行きたいし

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