愛してる20 ページ20
24階のマンションの屋上から、いきなりの突風で落ちてしまった。
12階あたりで意識が遠くなって……。
「きゃぁっ」
見覚えのある部屋の、見覚えのある人の上に落ちました。
「うぐっ」
え、待って。またトリップしちゃったの?
とりあえず退かなきゃ。
「すいませ……え……」
降りて、下敷きになった人の顔を確認した。
「んんっ……ん?……え、A!?」
「あ、むろ……さん……?」
この部屋、見覚えがあると思ったら安室さんの部屋で、下敷きになった人は安室さんで……。
「A、なんで上から落ちてきたんですか!?どこに行ってたんですか!?」
会えた……。
安室さんに、会えた……。
「安室さん……っ」
涙で目の前が歪む。
ちゃんと、顔を見たいのに。安室さんを見たいのに。
安室さんは、私を抱きしめ、こう言った。
「本当に……っ、無事でよかった……っ」
「安室さんっ……会いたかっだぁぁぁぁぁぁぁ」
会えたことへの安心感、喜びから、涙が溢れてとどまる事を知らない。
1時間後。泣きすぎて辛い。
目が真っ赤に腫れてるだろうな。
「A」
「はい……ヒクッ」
まだしゃくりをあげる私の頬に手を添え、唇を重ねてきた。
「……もう、どこにも行くな……」
抱きしめながら、耳元で囁かれる。
ちょっと体が反応してしまったけれど、安室さんは私を抱きしめたまま動かない。
「……安室さん……?」
「本当にっ……Aがいなくなってから、僕は……っ……Aがいないと、生きていけないっ……」
安室さん……。
「私もですよぉ……」
また泣けてきた……。
枯れることのない私達の涙は、床に落ちて小さな水溜りを作った。
私達、お互いに依存しあってるんだな。
その後、トリップしてきた事を安室さんに説明した。
私の瞳を見て、嘘じゃないと思ったのか、心底驚いた様子で戸惑っていた。
でも、それでも私は私だ、と言ってくれたこと。
本当に、嬉しかった。
ソファーに座って、テレビも付けずに2人で手を繋いで座っていると、安室さんが口を開いた。
「……ところでA」
「何ですか?」
こっちを向いた安室さんの顔は、まるで……狼みたいな……。
「これだけ待たせたんだ。もう、待てないぞ」
「……え」
私の頬に手を添え、無理矢理と言った感じで安室さんの方に顔を向かせた。
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ゼロ(プロフ) - カリリンさん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます!この作品はここで終わりですが、もう一つ作品がありますので、よろしければそちらも見ていってください♪ (2022年7月29日 12時) (レス) @page24 id: de719ecc07 (このIDを非表示/違反報告)
カリリン - もっと、続きが見たかったです。 (2022年7月16日 18時) (レス) id: eb57079295 (このIDを非表示/違反報告)
カリリン - ドキドキしました💕 (2022年7月16日 18時) (レス) id: eb57079295 (このIDを非表示/違反報告)
カリリン - とても、いいお話です! (2022年7月16日 18時) (レス) @page24 id: eb57079295 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ(プロフ) - cherryさん» ありがとうございます!キュンキュンしてくださったんですか!嬉しいです((o(*>ω<*)o))こちらこそ、ありがとうございました! (2018年4月14日 12時) (レス) id: 481dce020a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゼロ x他1人 | 作成日時:2018年4月2日 20時