モノクロ (ページ47)

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佐野「岸くん達と仲良くしてもらってるからって調子乗らない方がいいよ？笑岸くんたちも嫌がってたし笑」

と現実を味わう。

女子「岸くん達のこと考えてさっさとまた独りになりなよ」

散々に言われ泣きそうになる。
こんな人達の前で泣くなんて弱い人間だ。

なんて思っていると

『何話してんの？』

聞き覚えのあるこの声はすぐに岸くんだとわかった。

佐野「岸くん！一緒に帰らない？」

と態度を変えるりおんちゃん。

岸「ねぇ佐野ちゃん、俺らいつから付き合ってたんだっけ？」

といつも優しい岸くんはどこへ行ったのか
いつもよりずっと低い声だった。

佐野「 …えっと… 」

岸「俺、ちゃんと断ったよね？Aちゃんが俺を避けてる理由も佐野ちゃんにあるんじゃないの？」

佐野「私は別にっ… 」

岸「悪いけど俺友達を簡単に傷つける奴一番嫌いなんだよね。俺が勝手にAちゃんに一目惚れして、俺が勝手に近づいてるだけだから。」

と言った岸くんを見て
りおんちゃん達は教室を出た。

…一目惚れ……一目惚れっ…？！
聞き間違い…？聞き間違いだよね…なんて頭の中でパニクっている私とは逆に岸くんは冷静に

岸「 Aちゃん」と私を呼んだ。

「えっと… 」

岸「 …さっきも言ったけど…俺…Aちゃんのこと好きっす！…付き合ってください！」

とあの時のように
深々と頭を下げて手を差し出した彼。

返事はもちろん決まっている。

「私も好きです」

そう言って手を取った。

これから見る世界はきっと
モノクロじゃなくて

きっと色のついている世界だろう。

次の日
玄樹くんと海ちゃんに言ったら私たち以上に喜んでいて

廉に挨拶がしたいと言った岸くんが廉に
お付き合いさせていただいております！と言ったら
廉はAのファーストキスは俺やでとまた無駄なことを言った。

それに焦って廉をお見送りに行ったあと
岸くんと初めての口付けをしたのは言うまでもない