【ハイキュー】守るモノ【黒尾鉄朗】

第5話 ページ6

Aside〜



おにぃちゃんはいつも大へん。

学校にもいって、
バレーもがんばって、
いえのこともして。

さいきんはつかれてるみたい。

よんでも気づかないし、
ちゃんとおきてこないこともある。



黒「Aが笑ってくれるだけで
兄ちゃん元気になれるんだよ。
それはお空にいるお父さんとお母さんも一緒だ」



Aがわらえば、おにぃちゃんがげん気になる。

おにぃちゃんがげん気になったら、
きっとおかあさんとおとうさんもげん気になるよね！



「…えへへ！Aがみんなをげん気にしてあげる！」



わらわなきゃ。

Aがずっとえがおでいれば
みんなわらってくれるんだ。

みんなしあわせになれる。


おにぃちゃんがわらってくれるなら

あそんでもらえなくたっていい。

さびしくてもがまんできる。


おにぃちゃんがいてくれるなら
Aはそれでいい。

ほかになにもいらない。



でもおにぃちゃんはどんどん
わらわなくなっていく。

わらっててもちゃんとわらってないって
わかった。



「おにぃちゃんきいて！A、ね…」


黒「ｽｰ…ｽｰ…」


「おにぃちゃん…」



Aはおにぃちゃんをげん気に
できてないの？

Aちゃんとわらえてないの？



その日のよる、ゆめをみた。

おとうさんとおでんわするゆめ。



「おとうさんきいて！Aね！
こくごのテストで90てんとったんだよ！
先生にすごいってほめてもらえてね！
おばちゃんがごほうびにケーキかってくれたの！

それからね！一人でおつかいにもいけるんだよ！
おにぃちゃんよくわすれちゃうから
Aがたすけてあげるの！

あとあと！一人でねれるようにもなったし、
一人でおにぎりつくれるようにもなったんだよ！

それからそれから！

……それから…」



一人であそんだり、一人で学校にもいける。

一人でいることもできるよ。


なんだって一人で。


……ぜんぶひとり。



「おとうさん…。Aね、＿＿＿＿＿。」



なんて…こんなこといっちゃいけないよね。

だいじょうぶだいじょうぶ。

Aはいい子でつよい子だから。


ほら、わらえてるでしょ？




だから、わらってよ。

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