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第2話 ページ3

黒尾side



ある日、俺は両親の夢を見た。


両親は手を繋ぎ背を向けて立っていた。

でもその背中はすごく大きく見えて、
まるで子供の頃に戻ったような感覚で。

俺はただただその背中をずっと見ていた。



「…………ん」



なんか聞こえる



「お、……ちゃ…」



あともう少しだけ…



「おにぃちゃん!!!!」

黒「うぉ!?」

「あさだよ!」



時計を見ると、いつも起きる時間を
とっくに過ぎていた。



黒「ごめんごめん。
起こしてくれてありがとうな。
すぐ朝飯作るから」

「しんどい?つかれてる?
学校休む?」



Aは心配そうに俺を見つめた。



黒「大丈夫大丈夫。
それにAが起こしてくれたから
最高の目覚めだ!」



そうAの頭を撫でてやる。



黒「Aが笑ってくれるだけで
兄ちゃん元気になれるんだよ。
それはお空にいるお父さんとお母さんも一緒だ」

「…えへへ!Aがみんなをげん気にしてあげる!」



いつもの笑顔に戻ったA。


そうだ。この笑顔を守りたいんだろ。
ちゃんとしねぇと!

俺は自分の顔を数回叩いて、気合を入れた。



それなのに、この日から俺は寝坊をしたり、
ボーッとすることが増え、
授業中にも寝たりするようになった。


それから寝る度に両親の夢を見る。


【 子供の頃に戻って、2人と遊ぶ夢 】


【 2人と並んで歩く夢 】


【 2人がただ俺を見つめている夢 】




しかもどの夢も霧がかかったみたいに顔が見えない。

たまに、声は聞こえないが口だけ動いている夢も見る。


何か伝えたいことがあるのか?
こんなダメダメな兄だから怒ってるかもな。
それとも応援してくれてるのか?


俺は仏壇に飾られた2人の写真を見ながら、
心の中で自問自答を繰り返していた。

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設定タグ:ハイキュー , 黒尾鉄朗 , 兄妹   
作品ジャンル:アニメ
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れお(プロフ) - 時雨さん» コメントありがとうございます!この作品の伝えたい事が伝わっていた事が何よりも嬉しく思います!どんな選択、行動も無駄ではありません。自分が頑張ってきた証です。今までのそしてこれからの自分を誇ってあげてください。応援ありがとうございます! (1月5日 22時) (レス) id: 013ef55b68 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 自分も年の離れた兄弟と親の居ない生活をしていたのですが、その時の苦労や頑張り、葛藤など沢山あった中で、自分のしてきたことは無駄じゃなかったのだと、昔を思い出して思わず泣いてしまいました。とても心に響く作品でした。陰ながら応援しています。 (1月4日 5時) (レス) @page23 id: 0f9c65e6cc (このIDを非表示/違反報告)
れお(プロフ) - ChachaYさん» いえいえ、コメントをくださる程楽しみにしていただけていることにとても嬉しく思っております。おかげで少し自信を持てました!ありがとうございます!(≧∀≦) (10月11日 2時) (レス) id: 013ef55b68 (このIDを非表示/違反報告)
ChachaY - 時間がないなかすみませんでしたm(_ _)mこれからの更新楽しみにしています*\(^o^)/* (10月7日 13時) (レス) id: ee598f31ef (このIDを非表示/違反報告)
れお(プロフ) - ChachaYさん» コメントありがとうございます!更新が遅くてすみません。中々書く時間を取れなかったり、ストーリー構成に悩んだりして遅くなってしまっていますが、必ず最後まで書くつもりですので、気長に待っていてもらえればと思います。 (10月3日 1時) (レス) id: 013ef55b68 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れお | 作成日時:2023年2月1日 6時

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