【ハイキュー】守るモノ【黒尾鉄朗】

第1話 ページ2

黒尾side



あれから、研磨の家族や近所の人達に
助けてもらいながら
両親が残してくれた貯金と
親戚が送ってくれるお金をやりくりして
なんとか暮らしてる。


黒「忘れ物ないかー？」

「ハンカチ、ティッシュ、しゅくだい、
いじょうありません！」



Aは小学校に入り、俺も高３になった。

部活じゃ部長にもなり、進路の事とか
考えないといけない事が多くなって
今まで以上に忙しくなった。



「おにぃちゃん。
たまごとぎゅうにゅう、あとトイレットペーパーもなくなりそうだよ？」

黒「お？よく気づいてくれたな。
じゃあ学校から帰ってきたら
おばちゃん(研磨の母)と買ってきてくれるか？」

「うん！このAにまかせなさい！」



Aも積極的に家の事を手伝ってくれて
俺が気付かないことによく気づくから
本当に助かってる。


それから家を出る時帰ってきた時は、
仏壇の前で手を合わせて
母さんたちに行ってきます。ただいまを言う。

これがうちのルール。



黒「よし！今日も頑張るぞー！」

「おー！」



その後はそれぞれ学校に向かう。


学校が終われば、Aは研磨の家で
俺の帰りを待つ。

俺は部活が終わったら研磨と一緒に帰り
Aを迎えに行って自宅に帰る。

休みの日は研磨宅にお泊まり。
Aを1人家に残しておけず
土日は連日練習があるから
家の行き来をするよりは泊まりをすれば
楽だろうというおばさんの計らいで
休日も研磨の家で見てもらうことになった。


これが俺たちの日常。


両親がいない家に帰る。
それはどっか寂しくて、冷たく感じた。

悲しむ暇さえないまま
忙しい日々を過してるけど
両親の温かみ、ありがたみを痛い程感じてる。

Aもきっとそうだろう。
俺よりも幼い小さな体で、受け入れ難い現実を
泣かずに文句も言わずに受け入れてる。
なんなら笑顔で励ましてくれる。


父さん、母さん。
この天使を産んでくれてありがとう。


我が家の天使の笑顔を守るためなら
なんだって頑張れる。

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