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年の瀬に採用の合格通知が届いて、照にも報告した。
今年のクリスマスは照とは過ごせないから、ふっかとさっくんと3人で小さいパーティーをした。
年が明けて初詣にふっかと二人で行って、「照とずっと一緒に居れますように」
贅沢なんて言わない。それだけで十分なんだとお願いもした。
あっという間に卒業の日になった。
私にとってこの学校に思い出なんてほとんどない。
思い出す日々は照といた。
麗美と、歩といた。
あの日以来、二人と顔を合わせることすらなかった。
許せなかった。今となっては何が許せないのかなんて分からないし、だけど、頭のどっかではちゃんと分かってた。二人がしたことは決して間違いではないこと。
気付かないふりをして二人のせいにしておきたかった。
卒業式は出るつもりなかったけど照に最後のけじめだから行ってこいって言われたからしょうがなく出席した。
式が終わってさっさと帰ろうと渡り廊下を歩いていると屋上が見えた。
足は自然とそっちに向かっていた。屋上の扉を開けると、まだ少し冷たい風が私に向かって吹いてくる。
こんなにひろかったっけ。
ここで照に出会って、ここで照と喧嘩もした。
麗美と歩とたむろって煙草吸ったり授業サボったり。
あの毎日がすべて奪われた。
あの日々が一番輝いてた。
照に触れることが許されない日々。
友達を恨んで生きていく日々。
それがこんなにも辛くて、苦しいなんてずっと一人だったの頃の私にはかんがえられないだろう。
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作者名:o r | 作成日時:2020年7月22日 15時