煙草の煙 <２> (ページ22)

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その足でSnowまで行くと、店の中で頭を抱えるふっかがいた。

私に気づくと小さく笑って

辰「あいつ一応元気だったよ」

『そう』

ふっかの前に腰をかけて沈黙が流れた。

『あのさ、ふっか。』

こみ上げる思いを抑えながら、かっこ悪いとこ見せたくない私はぎゅっと唇をかんで笑いながら

『私、照も、麗美も歩も全部なくなっちゃったじゃん』

辰「やっぱ、ふたりだったんだ。」

今日二人から聞いた話、今日のことをふっかに話した。

辰「A。泣いていいぞ」

ふっかのその言葉がすごくあったかかった。
照に会いたくてたまらない。泣いてる私観たら照はなんて言うんだろう。

きっとこんな私の気持ちふっかにはお見通しなんだろうな。

『やだよ』

辰「そう言いながらもう泣いてんじゃねぇかよ」

そう言って席を立ってどっかへ行ってしまった。

ひとりになった席で声を出さずに泣いた。

少しすると、私の前にオレンジジュースとサンドイッチが置かれた。

辰「どうせ昨日から何も食ってねぇんだろ。」

そして、

辰「照、最初は先輩に無理矢理だったって。いつも、後にAをおもいだして後悔するって。」

少しだけ震えていたふっかの声。

辰「ただの馬鹿じゃん。自分から、ダメにしたくせにあいつ泣きそうな顔で言ってきた。俺、ずっと一緒にいんのになんで気づけなかったんだよ。」

悔しそうに頭を掻くふっか。

『ふっか。泣いていいぞ』

辰「るせぇ」

少しだけ笑った気がした。

辰「A。あいつは強い。こんくらいじゃどうにもなんねぇよ。だから。どうか照のこと待っててくんねぇかな？」

頼む。そう言って私に頭を下げる。

『当たり前だよ。こんなんじゃだめになんかなんないよ。』

2人して泣きながら、一緒に前を向いた。