儚い恋 (ページ38)

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『私が北斗の夢は私の夢とか言ったりしたから北斗の重荷になってたよね。それなのにこんな偉そうに説教じみたことしたり、それに私勘違いしちゃってた。あの時、卒業式の日の夜北斗と話した時、私たち本当は両想いだったんじゃないかって。本当は北斗も地元を離れて私たちに会えなくなるの寂しいんじゃないかって。北斗のこの夢は本気なんだって。私が勝手に勘違いしちゃってた。ほんと、本当にごめんね。私思い上がってた。』

こんなに泣いてるAを見たことがなかった俺は少し戸惑った。
昔はあんなに笑ってたのに、Aはけが緒の方が似合うのに再会して一度も笑顔は見せてくれない。

そんなAを見ても今の俺に優しい言葉をかけてあげられるほどの人の好さは持ち合わせていないようえ、

「勘違いも良いとこだよ」

心の片隅で、本当に片隅で泣いてる俺がいる。そう感じた時には遅かった。

『北斗。今まで本当ごめん。じゃあね』

最後に俺が見たことないくらいへたくそな笑顔でそう言って部屋から走って出て行った。

一人残された部屋で俺はどれくらいの時間いただろう。

気づいたら外はもう暗くて、
携帯には穂乃花からのLINE。

“寝ちゃってた。もう熱下がったよ”

それを見た瞬間俺の中の何かが終わったような気がして
涙が溢れた。