儚い恋 (ページ11)

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北斗 side

『行くよ。』

彼女はそう言ったけど、たぶんあいつは来ない。

俺が自惚れすぎてなければ、たぶんAは俺のことが好きだ。
それを知ったのは高校2年の時。
さすがに高校生になったら少しは分かる。

智也に聞いてみた。

～過去～

「Aって好きな人いるのかな？」

智「さぁ、北斗が知ったところでだろ。」

「じゃあ、質問変える。Aって俺のこと好きなの？」

智「はぁあ？！」

あからさまに焦ってる。

「知ってたのかよ」

智「Aの気持ち考えたら言えねぇよ。」

「なんであいつは言わない訳？」

智「言えるわけねぇだろ。考えてみろよ？小さいころからずっと一緒の幼馴染がいて、これからもずっと隣は自分だったらな。ずっと一緒にいたいと思ってたやつが、恋愛とか結婚はしなくてもいいって、直接行ってきたんだぞ？それでもいいから夢を叶えたいってキラキラした顔で夢語ってる幼馴染見たら、応援するにきまってるだろ？あいつがそういう奴なのはお前が一番知ってるだろ？」

「なんだよそれ、」
　

俺は小さいころからAのことが好きだった。
あいつの隣はいつも俺で。

でもあいつの周りにはたくさんの人がいる。
そいつらと俺との接し方に差はない。Aにとって俺はその程度の存在だ。
”ただの”幼馴染だと思ってた。

だから、ずっと隣に入れるなら自分の気持ちを伝えなくてもいいと思ってた。
伝えて壊れるよりずっとマシだと思ってた。

そして、ずっと夢だったジャニーズに入る決断をした。
A以外との恋愛は考えられなかったからちょうどいいとも思ってた。

智「あいつはお前の一番の理解者だ、そして北斗のことを一番応援してるのもあいつだ。Aの決意は相当な覚悟があったと思うよ。」

「俺、どうすればいいんだよ」

智「あいつのためにも夢叶えるべきなんじゃねぇの？夢あきらめたお前見たらたぶんA泣くぞ？」

その時おれは決めたんだ。

Aの気持ちを無駄にしないためにも俺は必ず夢を叶える。