ミルクティー【青】

三十六話 ページ36

ころんside


さてさて、時は進みお弁当タイム。


僕、今日のお弁当めっちゃ楽しみにしてたんよね。


なんと、今日はですね、自分でおかず作ってきたんですよ！


…といっても、卵焼きだけなんだけどね。


いや、どうやらAは料理ができるらしいので、僕もそれを見て見習おうと思ったんですよ


『…ころん、ニヤニヤしてるけどどしたの？』

ころん「ん？ いやぁ、別にぃ？」

『？ …まぁ、いいや。早く食べよう？』

ころん「うん！」


とうとうこの時がきた！よし！


ころん「A！ みてみて！」

『んー？』

ころん「今日僕さ、自分で卵焼き作ったんよ！！ すごくない！？」


バッとお弁当箱を見せびらかす。
その中身に、Aも目を輝かせていた。


『わ、すごい…！ 綺麗に作ったね、意外』

ころん「意外って…僕もAを見習おうと思ったからね」

『え、なんで』


Aは目を見開いて質問してくる。


いや…だって、ねぇ？
凄くない？ お弁当自分で作ってるらしいですよ。
お母さんが忙しいからって、前言ってた気がする…


僕はほら、あんまり家事とか率先してやらないほうだからさ…


ころん｢…Aが偉いなぁと思って、僕もしようとしただけだよ｣

『え、私褒められた？』

ころん「うん褒めた。ほら、早く食べよ？」

『うん、いただきます』


パン、と手を合わせた後、Aは美味しそうにおにぎりを頬張っていた。


僕も食べようと思って、自分で作った卵焼きを一口齧ると…


ころん「っ…！ かっ……らっ！！」

『えっ！？ なに、ころんどうしたの！？』


あまりの辛さに僕はゴホゴホと激しく咳込んだ。
Aはそんな僕の背中を優しくさすってくれた。


え、待って、
卵焼きってさ、普通甘いよね？
え、なんでこれこんなに辛いの？


え、まさかだけどさ…


ころん「…砂糖と塩、間違えたかなぁ…」

『いや、どうやったら砂糖と塩間違えるの？ 少女漫画じゃあるまいし』

ころん「いや、だって似てるじゃん！？ あんなん味以外ほぼ一緒じゃん！」


それにしても…困ったなぁ。
正直、もう食べたくない。まだ僕の食べかけとして、卵焼きもう半分残ってる。


この半分を食べたとしても、まだあともう一個ある


捨てる訳にはいかないし…


僕が卵焼きとにらめっこをしていると、横からAの箸が伸びてきた。


『しょうがないなぁ、ころんは』

ころん「え」

『私が一個食べるよ』


Aはそう言って、僕の卵焼きを口に入れた。

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