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ay「Aッ!!!大丈夫!?」
『…ッ…、、う、うん……大丈夫、だと思う…』
ay「ほんとに!?」
心配そうに声をかけていたアユのおかげで我に返ったけど、今、何が起きたのか把握するのに時間がかかった
周りに2、3人の先生が走ってきて、ようやくこの状況を理解した
あぁ、私落ちたんだ…
でも、自分で落ちた訳じゃないし、下で支えてくれてたアユ達が崩れた訳じゃない
そうなると答えなんて1つしかない
戦っていた相手チームの先輩を見れば、心配そうな顔をしている反面、その目は嬉しそうだった
私、この人に押されたから落ちたんだ
そう理解するのに時間はかからなかった
『いッ…』
ay「ほら!怪我してる!!先生!A怪我してるよ!!」
ずっと寝たまんまじゃダメだと思い、起き上がろうとした時に感じた左腕の痛み
「A、大丈夫か?」
『ちょっと痛いだけなんで、多分大丈夫だと…』
「ごめん、触るね」
アユの叫びを聞いた担任の先生と保健の先生が近くによってきて、軽く腕を見てくれた
「折れては無さそうだけど…」
『折れてないなら大丈夫です』
ay「ちょ、こんな時まで我慢しないでよ…」
『ほんとにちょっとした痛みだから、心配してくれてありがとう』
「ほんとに大丈夫か?」
『…じゃあ、退場したら湿布貰いに保健室行きます。今はとりあえず大丈夫そうなので、このまま待機します。先生達も戻って貰って大丈夫です』
最後に競技ももうすぐ終わりますよねと告げると、心配そうな顔をしながらも、後で絶対保健室に来いよと言って、職員席に戻って行った
ay「…バカ」
『大丈夫だから、ちょっとびっくりしただけ』
始まる前はあんなに気合いが入っていたアユも私が落ちたことでテンションが明らかに下がってしまっていた。
『アユは?怪我してない?』
ay「…大丈夫」
『よかった。2人も怪我してない?』
「私達は全然なんとも」
「終わったらすぐ保健室行こうね!?」
『うん、ありがとう』
まだ左腕の痛みは引かないけど、自分自身はだいぶ落ち着いてきたから、今にも泣きそうなアユの方に向き直る
『アユ、ありがとう』
ay「…ッごめんねぇ…」
『もう、今泣かないでよㅋ』
まだ競技の結果発表中なのに、私と目を合わせた瞬間泣き出したアユ
校庭の真ん中だったけど、そんなこと気にせず、右腕だけでアユを抱きしめる
そんな中視界に入ったのは生徒席の方で4人集まってるオッパとファニの姿
あーあ…これは説教かな…
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作者名:おもち | 作成日時:2024年3月20日 15時