ご対面 ページ6
グ「あ……の、」
上手く言葉が出ない。目の前にいるのに、ずっと、ずっっっと会いたかった相手が目の前にいるのに
グ「……、、A」
ﾊﾞｯと俺が話を切り出したのとAが走り去るのはほぼ同時だった。
グ「…………」
ーーーーーーーま ち や が れ ！！！
俺はすぐに駆け出すとAのあとを追う
はっえぇっ、どういう体してるんだよ！
小学校から一度も勝っていないとはいえ、男と女の体格差などははなから白黒ついているというのに…
とはいえ、かなりの鬼ごっこ状態が続いた中、俺はようやくAの腕を掴むことが出来た
貴「っっ！？？？」
その瞬間ピタリ、とAの動きが止まる
貴「…っ、、はぁ……はぁ……はあぁ、」
グ「……ふっ、、ぜぇ……ぜぇ…」
今度こそ、Aと目が合う
心做しかAの腕が震えているのはきっと気のせいではない。
俺らが………俺がAをこうさせたのだ
グ『……悪かった』ﾊﾟｯﾊﾟ
貴「！！！！！！？？！」
グ『あれから……ずっと謝りたかった』
Aが転校してから暫くして、母が買ってくれた手話の本は何度も読み返した
貴『…………手話…』
グ『覚えた』
貴『……私のこと』
グ『覚えてる』
誰の為に覚えたと思ってる
グ『……無理を承知で言う。どうか、あいつらを憎んでくれるな。あいつらはただ、俺に命令されて…』
貴「…………」
貴『グルッペンくん』
グ「……？」
貴『_______』
グ「おはよう？」
貴『_______』
グ「祝福」
貴『_______』
グ「…友達」
貴『_______』ﾆｺｯ
グ「………許し」
じんわり…とその言葉が体を通り過ぎていくのがわかった
貴『凄いね、、手話、完璧だよ。
………もう、行くね。』
グ「まっ、」
貴『………？』
グ『……友達になってください』
むかし、鉄棒の前でAが俺に言ったこと。
俺が、突き放した、Aの精一杯
チラリ、とAの反応を伺うと、そこには頬をピンク色に染めて目をキラキラさせたAが目に入った
貴『……こ、あ…勿論』
そう言って笑ったAの表情が思ったよりも全然可愛くて少し震えた
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しゃりこw(プロフ) - 蘭菊さん» 身近に居られるのですね！、私も両親が耳が不自由なので…！返信ありがとうございました。こちらこそ本当に嬉しいです！ (2017年6月3日 18時) (
レス) id: 6e0192e497 (このIDを非表示/違反報告)
蘭菊(プロフ) - しゃりこwさん» そう言ってもらえるなんて感激です！一応友人にそういう方がいて『そういう方々』がどういうふうな考え方をしているのか、それを知ってもらいたくて書きました。なのでしゃりこwさんのような感想は本当に嬉しいです (2017年6月3日 17時) (レス) id: fe041c55cc (このIDを非表示/違反報告)
しゃりこw(プロフ) - 初めまして、読ませていただきました。正直聲の形を元にという言葉を読んだ時差別的なものになってしまうのでは、と考えてしまいましたがそんなことは無くとても感動するお話でした。ありがとうございました (2017年6月3日 16時) (レス) id: 6e0192e497 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭菊 | 作成日時：2017年4月23日 14時
