その愛、雨模様。

純真の模様です。(ammy)☆ ページ10

｢Aー！｣
舌っ足らずな聞き慣れた声で私の名前が呼ばれる。
その声に嬉しくなってニコニコしながら振り向くと、予想した通り此方に向かってくるあまみゃがいた。
『あまみゃー！』
思いっきり腕を広げてあまみゃを抱き締める。
わーだのきゃーだの抱き締め合いながらしばらく騒いで、彼女の温もりに癒しを貰った。

｢A〜｣
私の腕の中でまた名前を呼ぶあまみゃ。上目遣いになってるのが可愛くて、思わずギュッと力を強めてしまったのは許して欲しい。
『なに？どうしたの？』
なんだか不安げなあまみゃを安心させるよう微笑みながら答えると、彼女は眉を下げて聞いてきた。
｢Aはあまみゃのこと好き？｣
可愛らしい問いに思わず頬が緩む。そしてそのゆるゆるになった顔のままあまみゃに当然の答えを返した。
『好きだよ〜！好きなんて言葉じゃ表しきれないぐらい大好き！』
良かった、と安心したようにふにゃりと笑うあまみゃ。全くもう、この子は何処までも可愛いなぁ。

『あまみゃは私の事好き？』
聞かれたら当然聞きたくなるもので。
少々不安になりながらあまみゃの答えを待つと、万遍の笑みで彼女は答えた。
｢うん、好きだよ！｣
ぎゅ、と私を抱きしめながら言うあまみゃ。
ありがとうと此方もあまみゃを強く抱き締める。
変態みたいになってしまうけど、抱き締めたあまみゃからはいい匂いがして改めて女の子だなぁなんて思ってしまった。

｢Aってさ、土曜日とか空いてる？｣
愛しいあまみゃからのお誘い。
断る訳無いのだけど、念の為予定を確認しようとスマホを開く。開いてみて、思わず他人から見れば苦虫を噛み潰したようだと言われるような顔をしてしまった。
『ごめん..空いてないかも』
｢なんでぇ？｣
上目遣いで悲しそうな顔をするあまみゃに申し訳なくなりながらも事情を説明する。
『この前知り合った岡本くんがしつこくデートに誘ってきてさ、あまりに面倒くさいから1回お茶しましょうって言っちゃったんだよね』
勿論友達も一緒だし、そこでもう二度と関わらないでって言うよ。
あまみゃが不安にならないようにと補足を述べて彼女の顔を窺う。すると彼女はにこりと笑みを浮かべて私に告げた。

｢その事なら大丈夫だよ〜、岡本くん、さっきあまみゃに急に用事が入っちゃったって言ってきたから｣

純真の模様です。(ammy)☆→←詐欺師にはご注意を。(knmt)☆

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