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裏切りの模様です。(rysen) ページ14

「A、あんた、大丈夫、だった..?」
教室に着くと、まだ少し顔色が青いミカに詳細を聞かれる。少し震えている彼女の手を握って正直な事情を話した。
「私が、ちゃんとAといるようにしてれば..」
ごめん、と何故か謝り出すミカに、いいよいいよと首を振った。
『ミカに助けて貰ったお陰でここまで来れたんだし』
ね、とミカに笑いかけると、彼女も安心した様に少しだけ笑った。

それから数日は、何も起こらず平和に過ごせていた。ミカと大学に行って、授業を受けて、ミカと別れて、お風呂に入って寝る。
余程緑仙の事が心配なのか、ミカは私から離れようとしなかった。緑仙はあれ以降私に話しかける事は無くなっていたし、これで安心だねなんて2人で話していた。そんな時。

ミカが風邪を引いた。
結構な熱が出たらしく、勿論大学はお休み。
仕方が無いから緑仙との事を知らない他の友達と一緒に行動していると、後ろから声が掛けられる。それと同時に、肩にポンと置かれる手。
「ちょっとA借りていい?」
え、なんで。
最近はあまり聞かなかったその声に慌てて振り向くと、余裕そうな笑みを浮かべる緑仙が立っていた。
告白だと思ったのだろう、キャッキャと盛り上がりながら「いいですよ!」なんて言う友人達。
『え、ちょっと』
私の抵抗の声は、緑仙に手を引っ張られた事によって誰にも届くこと無く消えていった。

『ねぇ、りゅうしぇ、離して』
さっきから何度も呼びかけている筈なのに緑仙は一向に私の手を離さない。それどころか、どんどん力が強まっていく様な気さえしてきた。

「入って」
そう言って漸く緑仙が止まったのは、人気のない校舎の空き教室で。
有無を言わないような視線に耐えきれず素直に教室に入ると、私の後から入って来た緑仙に扉を閉められる。
依然として繋がれたままの手をまた引っ張られ、ドアから1番近い椅子に座った緑仙の腕の中へ。

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みそ漬けキュウリで殴る(プロフ) - むさん» ありがとうございます…!!!泣私自身ヤンデレ大好きなのでこれからも書き続けます!応援ありがとうございます (2021年11月18日 19時) (レス) id: ed00509d09 (このIDを非表示/違反報告)
みそ漬けキュウリで殴る(プロフ) - Oh…Kamoto…さん» 岡本さんん!!!!その節は本当にすみません…でもそう言って頂けて良かったです(安心)応援ありがとうございます! (2021年11月18日 19時) (レス) id: ed00509d09 (このIDを非表示/違反報告)
みそ漬けキュウリで殴る(プロフ) - レーヴァテインさん» 新しい短編収穫の方にもコメント下さっていましたよね?!ありがとうございます…!!そう言って頂けると嬉しいです!ありがとうございます (2021年11月18日 19時) (レス) id: ed00509d09 (このIDを非表示/違反報告)
- segs凄くいいです…。ヤンデレモノだいすきなので沢山書いてくださると私が喜びます♡これからも応援させていただきます! (2021年10月19日 22時) (レス) @page47 id: 0f73c4f562 (このIDを非表示/違反報告)
Oh…Kamoto… - 初コメ失礼致します。こんにちは!ガチの岡本です!あみゃみゃに殺されるならもはや本望でもあるので大丈夫です☆これからも応援してます!!! (2021年10月16日 23時) (レス) @page11 id: 0d243bf87d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みそ漬けキュウリで殴る | 作成日時:2021年1月6日 17時

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