06.社長はぶっちゃけ変人だと思う(失礼) ページ6
「ふむ…そうだなあ。VTuberにお近付きになりたかった、或いはウチの印象を悪くしたい…外部犯じゃこんなところだろう」
「なるほど」
社長の足元でぷるぷるしていると、社長は小さく笑って俺を手招きし、机の上の空きスペースを人差し指でとんとん、と叩いた。
ああ〜…机の上に乗ってもええんやで、ってやつかな。確かに目線の高さが違い過ぎて会話しにくいか。ぽいん、と俺は言われるまま机の上に乗った。
「とはいえただVTuberと接触したいが為に君のマネージャーを名乗るなんてのは愚かすぎる。我社を敵に回す行為だからな」
「…そうですね。だとしたらやっぱり印象操作が目的なんでしょうか」
「ふふふ、そうだろうね。独り勝ちしている我社の現状を鑑み、恨めしく思う連中もいることだろう」
「悪いことをしているならまだしも、至って正攻法でやってきてるから恨まれる筋合いはないんですけどねえ」
「くく、こんな凶行に打って出る連中に正論が通用すると思うか?」
「…まあ確かに。でも、じゃあどうするんですか?」
「もちろん然るべき処置を取る。目には目を、歯には歯を、凶行には凶行を。」
「…人間対人間だったら“何が善で何が悪か”みたいな禅問答になりそうですね」
「ふふん。人間の法なんぞ人外の間ではまかり通らない、まして最早、連中の説法を大人しく聞いてやる義理もない」
「…あんま無茶苦茶やんないでくださいよ?」
「もちろんさ。他ならぬ君の為に、他ならぬ君が望むように。」
社長は机の上でぷるぷるしているスライムに対して、恭しく頭を下げた。
やっぱりこの人は趣味が悪いな、と呆れながら、俺はため息を吐き出す。
「で?俺は何をすればいいんですか?」
「君はいつも通りに。君のマネージャーを名乗っている以上連中は君の動向に気を配っているはずだ、悟られないように過ごしてくれ」
「了解」
「犯人の特定や処理は僕達に任せてほしい、適当にやっておく」
「適当って。社長達のそれは空恐ろしいものがあるしそれだと俺本当にお飾りですよね?」
「馬鹿なことを言うもんじゃないよ、A。君は僕達の、とっておきの“切り札”だ。」
切り札は大事に取っておくものだろう?と、社長は楽しげにウインクをした。
……まあ、確かに下手に出しゃばるよりもその方がよっぽど話が早く済むんだけどさ。
なんせこの会社の社員さん達は、軒並人外だから。
07.ニッキーナとかいうコンビ名→←05.スライムを雇ってる時点でなあ
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麗奈 - 安心院さんだー?!みんなかわいい…。更新応援してます! (2021年3月14日 16時) (レス) id: 88febc3d1c (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - え、好きです…!更新されるのを楽しみに待ってます。 (2021年3月13日 12時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
少女A - この作品まじで好きです(突然の告白)更新頑張って下さい!!!! (2021年2月11日 21時) (レス) id: d50aeb0ee5 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - この作品大好きです! (2021年1月5日 15時) (レス) id: 47378f0ea6 (このIDを非表示/違反報告)
らんか - 今回もめっちゃ良かったなぁ〜!!!アッキーナかわいいwずっと更新されてないかな?って気にしちゃうw (2021年1月2日 23時) (レス) id: 318e0b9fd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リム | 作成日時:2020年12月24日 14時