スライムですがVTuberです。

23.おもてなし精神極まる ページ23

「……ほっわぁ…」


スタジオには大画面用の投影機、そしてそれぞれの四チーム分のテレビ、ゲーム機、炬燵。

天板の上にはきっちりとお鍋がセットされてぐつぐつと煮立っている。内容は全部違うというお楽しみ仕様だ。ちなみにセッティングしたのはウチの社員です。


「折角ぴったり二十人なのでひとチーム五人でいきましょう。桃鉄で大切なのは運と知識と戦略！豪運の人と組むも良し！経験者と組むも良し！…席のお鍋の内容で選ぶも良し！」

「ふへっw」

「お鍋の内容ww」

「はいAさん！他所のお鍋を食べに行くのは有りですか！」

「有りです！具材の用意もたんまりあるんで仲良く食べてね」

「はいAさん！お酒はありますか！」

「酒好きめw一応用意してるけどお鍋だから日本酒しか用意してないよ」

「Aさん愛してる！！！」

「はいはいw」


どうしようこうしようとチーム決めが行われ、時にはじゃんけんで取り合いが勃発したり。

これが結構白熱するんだな。みんな無邪気で可愛いよね。


「いよいよ絵面が年越しですねw」

「俺も悩んだんだけどさあ、結局これが一番しっくりくるんだよね」

「ふふ、ですねw」

「あ、コート掛けの類もこっちにあるから暑かったら脱いじゃってね」

「いたれりつくせりぃw」

「なんなら俺も脱ぎたいくらいだよね」

「コートと上着くらいならいいですよ」

「じゃあそうしよ。」


正直スタジオ内がもう既に暑い。

俺がコートを脱いだり上着をハンガーに掛けたりしていると、葛葉がマントを外しながら歩いてきた。


「Aさんはチームに参加しねえの？」

「今日の俺は給仕さんでーす。参加者をおもてなししないとな」

「え〜…」

「まあまあ。俺もお前のとこに鍋を食べに行ったりするからさ」

「…ちぇ。しょうがねえなあ」

「ジュースも各種あるから欲しくなったら言ってくれな」

「へーい」


にじさんじのスタッフさん達にも何人か参加してもらっているけれど、基本的に動いているのは人外警備社の面々だ。

にじさんじライバーをお借りしている以上スタッフさん達もおもてなし対象である。あとは俺達じゃ分からないにじさんじルール等あれば教えてもらうくらい。


「…あ。女性陣はブランケットも用意してあるから必要なひとは教えてー！」

「…マジでいたれりつくせりじゃん。これ全部会社で用意したの？」

「？ うん。客人はもてなさなきゃ！ってみんな張り切ってた」

「みんなそんな感じなんだ…。」

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