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かわらない ページ35

次に目を覚ました時には、外はすっかり茜色だった。叶さんが来たのが何時頃か分からないけど、熱のせいだけではない気だるさから、そこそこたっぷり寝ていたのが分かる。
 体を起こすと、朝ほどの辛さはなかった。その代わり酷く喉が腫れているようで、ひゅうひゅうと喘鳴が響く。唾液を飲み込むのにも違和感があって、大丈夫かなぁこれ、長引くとさすがに困ってしまう。
 サイドテーブルに乗せていたスマホがちかちかと通知を主張したので、手に取って画面をつけた。
 マネージャーさんから返信が来ていて、申し訳ないが向かえそうにないこと、叶さんと葛葉さんに連絡を入れたこと、ホテルにはもう一日多く滞在できるようにしたこと、なんかが綴られていた。
 こちらも返信が遅くなったことへの謝罪と、対応への感謝を告げて画面を消した。叶さんがいたのはマネージャーさんから連絡がいったからか。
 何をする気も起きずぼうっとしていると、ガチャ、と扉の開く音がした。

「あれ、起きてる。おはよー。体調どう?」

「お、はようございます、かなえさん」

 体調は、まだちょっと悪いです。誤魔化しても仕方ないので白状すると、素直でよろしい、と笑われた。

「ちょうどご飯買ってきたんだよね。たべられそう?」

 ごはん、と口の中で反芻すると、思い出したようにお腹がすいた。こくりと頷く。
 ベッドから降りようとしたら、座ってて、と咎められて動きを止める。

「サンドウィッチとかスープとかゼリーとか、食べやすいかなーと思ったんだけど」

 どう?と見せられたラインナップは、二人じゃちょっと多いくらい。心の内を見透かしたように、残ったら葛葉に食べさせるから、と先回りして伝えられた。それはそれで、どうなんだろう。
 でも、気にしなくていいよ、ってことだとは分かったので、素直に欲しいものに手を伸ばす。

「その、ポタージュ欲しいです。あと、ハムとチーズのサンドウィッチも」

「おっけー。あ、窓開けても大丈夫そう?寒くない?」

「平気です。換気しなきゃな、って思ってたくらいなので」

 じゃあ開けるねー、と、叶さんは窓に寄ってカーテンごと開けた。少しだけ頬を撫でる風は、まだひんやりとしている。

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(プロフ) - はじめまして!!この作品が大好きで何度も何度も読み返しています。これからも活動応援しています! (2021年8月19日 16時) (レス) id: b829afb215 (このIDを非表示/違反報告)
莉紬(プロフ) - りあさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます。細かいところまで気にしていただいて、丁寧にかいた甲斐がありました。ぜひ、今後もお付き合い頂けますと幸いです。 (2021年6月30日 13時) (レス) id: 99f03ec5b8 (このIDを非表示/違反報告)
りあ - 一気読みしました、、、!とても好きです…!作中にサンダーソニアが出てきたときは思わず声を出してしまいました…!! (2021年6月29日 18時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 神さん» とても嬉しいコメントありがとうございます。そう言って頂けますととても励みになります。ぜひ、最後までお付き合い頂けますと幸いです。 (2021年5月11日 22時) (レス) id: 99f03ec5b8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はじめまして。数日前にこの小説を見かけ、読ませていただいたところ本当に面白くて一気に読んでしまいました。差し出がましくて申し訳ないですが、これからも更新を応援しております。 (2021年5月11日 21時) (レス) id: bf2877755d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年5月5日 0時

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