ー ページ31
━提案者は神
━いえええええい！！！
━最高！
━何それめっちゃ欲しい……！
「ひまたちはもう書いてるから、あとは二人がこの辺にかいてかんせーい」
「と、りあえず、分かりました。え、でも、私まで書いちゃっていいんですか」
「お前も出演者なんだからいいにきまってんだろー？ほい、これペン」
「あ、ありがとうございます……え、まってこれ緊張する、黛さん先書いてください」
「そうくる？まぁ、いいけど」
きゅぽ、と音を立ててサインペンをあけた黛さんは、慣れた仕草でさらさらとペンを走らせた。空いていたスペースの半分が線に埋められて、はい、とこちらにかえってくる。
そりゃいつかは書くかな、と思ってたけど、だって、こんな唐突に機会が巡ってくるとは思わなかった。
「えぇ、失敗するのこわぁ。サイン書くのってこんなに緊張するんですね」
「えっ！もしかしてサイン書くの初なん！？」
心底驚いた、というふうに目を開いたひまさんにこくりと頷くと、じゃあこれめっちゃ貴重やん！なんて告げられる。
貴重、になるのだろうか。それくらいのことで？と思ったけど、盛り上がるコメント欄を見れば反論も出来ずに、黙ってペンを走らせた。
余計緊張して手が震えそうだったけど、なんとか綺麗に書き終えてほっとする。
「よし、かけました。これがプレゼントになるんですか？」
「一枚だけ？珍しいね」
「ううん、最終的には三枚になるよー」
なるほど、つまりこれはエンターテインメント用なのか。
ふと、葛葉さんが肩越しにマウスに触れて、カチカチとなにやら操作する。二枚関係の無い画像を挟んで、映し出されたのは応募方法が記された画面。なにこれ、全然知らなかった。
たぶん意図して隠されていたんだろうけど、ということはここまでばっちり計算の上だった、ということだ。ぜったい計画犯じゃないですか、とぼやくと、愉快そうに葛葉さんが笑う。
「まぁ、そゆこと。みんな応募しろよなぁ」
━即行ってくる
━祈莉ちゃんの初サインほしい……
━あたりますように！
先ほど提案者を褒めるコメントが見えていたけど、たしかに、ここまで盛り上がるのなら、大成功と言えるだろう。
再度応募方法をアナウンスしたところで時間になったので、四人で終わりの挨拶をする。
そうして初めてのイベント参加は無事、成功と言える結果に終わったのだった。
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凡(プロフ) - はじめまして！！この作品が大好きで何度も何度も読み返しています。これからも活動応援しています！ (2021年8月19日 16時) (
レス) id: b829afb215 (このIDを非表示/違反報告)
莉紬(プロフ) - りあさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます。細かいところまで気にしていただいて、丁寧にかいた甲斐がありました。ぜひ、今後もお付き合い頂けますと幸いです。 (2021年6月30日 13時) (レス) id: 99f03ec5b8 (このIDを非表示/違反報告)
りあ - 一気読みしました、、、！とても好きです…！作中にサンダーソニアが出てきたときは思わず声を出してしまいました…！！ (2021年6月29日 18時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
律(プロフ) - 神さん» とても嬉しいコメントありがとうございます。そう言って頂けますととても励みになります。ぜひ、最後までお付き合い頂けますと幸いです。 (2021年5月11日 22時) (レス) id: 99f03ec5b8 (このIDを非表示/違反報告)
神(プロフ) - はじめまして。数日前にこの小説を見かけ、読ませていただいたところ本当に面白くて一気に読んでしまいました。差し出がましくて申し訳ないですが、これからも更新を応援しております。 (2021年5月11日 21時) (レス) id: bf2877755d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：律 | 作成日時：2021年5月5日 0時
