サンダーソニアの咲く頃に 2nd

ー ページ29

「俺のおすすめはステンレスボトル。使われてるデザイン的には傘とそんなに変わらないから、お揃いにするのもいいかもね」

━めっちゃ普段使い出来るやつきたー！！
━容量どんくらい入るか気になる
━なにそれほしい！

「容量はぴったり500ml。持ち運びもしやすいサイズだと思うよ」

「これ以上大きいとちょっと邪魔になりますもんね。想像より重くないのもポイントかなぁ」

「ペットボトルよりは当然重量もあるけどね。その分保温性があるし、結構いい商品じゃないかな」

　やっぱり、黛さんは否定的だったけど、彼も十分すぎるくらいプレゼン上手だ。決して過剰評価はしないけど、色んな人にいいな、と思わせる話し方をする。

「他の雑貨商品も一緒に紹介しちゃいますね、まずはステンレス繋がりでマグカップ」

「こっちも普通のマグカップより保冷保温効果がしっかりしてるから、長時間の作業にも向いてるね。それから、外出の時便利なハンドタオルとポーチ」

「ポーチいいですよね、結構大きいんですよ、これ。マチも広いし」

　見えないと分かっていたけど、かぱりと大きく開いてみる。私なんかは日焼け止めとか目薬とか、体質上どうしても持ち運ぶものが多いので、ポーチは大きい方が助かる。
　もちろん、荷物は最小限がいい、なんて人には向かないかもしれないが、同じくしっかりメイク用品を持ち歩く派の人たちには好評のようだ。
　ちらりと尺を確認すると、うん、そろそろちょうどいい頃合いだろう。

「日用雑貨のラインナップはこんな感じです。みんな欲しいもの見つかった？」

━とりあえず傘は買う
━マグカップかボトルか悩む〜！
━一番使いそうなポーチ買います

「商品のショップページは既に開いてるから、配信見てる人は概要欄から飛んでみて」

「会場のみなさんは、後でゆっくりみてみてね。さて、そろそろ第一回終わりの時間が近づいてきました」

「かなりあっという間だったね。それじゃあ、また第二回で」

「見てくださってありがとうございました。この後も、引き続きイベント楽しんでね。また後でね」

　ひらひら手を振ると、コメント欄には拍手と挨拶が溢れた。どうやら、何事もなく終われそうである。
　画面が暗くなってコメントがぴたりと止まったのを確認して、そこそこ大きな安堵のため息をついた。

突撃者→←ー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す