遭遇 ページ44
「あ、」「え」
本社の廊下でばったり会ったのは、金髪を元気に揺らしながら歩く、星川サラだった。
最初は会釈だけで済まそうと思ったが、相手はそれを許さなかった。足早にその場を離れようとした瞬間、ガッチリと手をつかまれた。
「話だけでも、聞かせてくれませんか」
真剣な面持ちで先輩に言われて、断れるはずがなかった。
「……」
喉が張り付いたように声が出ず、こくりと頷いた。
あえてなのか、彼女はロビーに向かい、ソファに腰掛ける。
緊張と不安で頭が真っ白になった俺は、ただただ俯いて座った。
少しの間沈黙が続き、痺れを切らした彼女が口を開いた。
「星川は！」
いきなりの大声に驚き、肩が揺れる。けど、それ以上に驚いたのは彼女の表情だった。
「…別に理由とかはどうでもいいです。だけど、ハッキリ言ってほしいです。もう、星川と話したくないですか」
彼女の肩は震えていた。コミュ強、陽キャ、なんて言われたって、根本は俺と同じだった。
「星川は話したいです。コラボだって沢山したい。たくさん仲良くなって、クロノワを見返すんだって、リスナーのみんなにも言っちゃいました。」
だんだん声が震えてくる。俺はこの子を不安にさせてしまったのだろうか。勇気を出して誘ってもらったのに、その努力を無下にしてしまった。
こんなに歩み寄ってもらっているのに、むしろ俺は遠ざかっているような。
「お、れも、仲良くしたい、です。」
緊張、不安でカラカラな喉に鞭を打ち、必死で声を出した。相手の目なんて見れなくて、ずっと自分の握った拳を見つめていた。
「ごめんなさい、俺のせいで。」
結局、ぜんぶ俺のせいだ。先輩の思いも踏み躙って、にげようとするだけ。
…どこに行っても、俺は変わらない。こんなことになるのなら…
「違うよ。」
凛とした、まっすぐな声が響いた。
「星川は理由なんてどうでもいい。だけど、最初は話すこともできなかった2人が、にじさんじで天下とったらさ、」
驚いて、顔を上げると、星川先輩と目が合った。キラキラしてて、優しい瞳だった。
「最高だと思わない？」
ね？と、笑いかけられ、だんだん涙が滲んできた。この人を、女の人、とくくるには勿体無すぎる。
俺はなんてアホだったんだろう。
「はい……！」
ぼたぼたと落ちる涙を抑えもせずに、俺は拳をずっと握っていた。
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gibyaso754(プロフ) - 名前変換できるようにして欲しいです (1月22日 8時) (
レス) @page4 id: 1e4176b142 (このIDを非表示/違反報告)
はーしーですよ。(プロフ) - その後2人が楽しく配信出来たのか気になる所！これからも応援します。 (5月9日 22時) (レス) id: 83bbff44cf (このIDを非表示/違反報告)
あおりんご(プロフ) - 33さん» コメントありがとうございます！面白いなんて言っていただけてとても嬉しいです！更新頑張ります！ (2022年7月29日 13時) (レス) id: 96896c9c2e (このIDを非表示/違反報告)
33 - めちゃくちゃおもしろかったです!!!!!更新頑張ってください (2022年7月29日 13時) (レス) @page33 id: ce81fe4080 (このIDを非表示/違反報告)
あおりんご(プロフ) - 綺羅さん» コメントありがとうございます！やっとですね笑！楽しんで頂ければ幸いです！ (2022年5月25日 22時) (レス) id: 9a72bcc81d (このIDを非表示/違反報告)
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