【2j3j】発端はたまごサンド【男主】

憂鬱 ページ4

「……はぁ」

本日n回目のため息をつく。



あの子たちをご飯に連れていってあげたいのに、あのクソ上司がまた仕事を押し付けてきた。
新人の子は、不慣れなのは分かるけど、頼むからもう少し見直してくれ…!

ああ、また今日も残業かな…。

目の前の、山のような書類を見てまたもやため息をついた。そんな俺を見てベテランから新人の幅広い女性たちがひそひそと何かを話し出す。
お願いだから悪口は他所で言って…!

今すぐ突っ伏して泣きたい気分になったけど、叶くんたちに連絡をしないと。

普段はあまり使わない、私用の携帯を取りだし、メッセージアプリを開く。
新しい友達に、あの二人の連絡先が入っているのを見て、思わず口角が上がる。

ってやばい…。俺はお礼のために連絡先を聞いたんだから、そんな下心があったら、本当にキモいおじさんになってしまう。
邪念を取り払うように首を振り、再び連絡先を見つめる。

けど、やっぱり新しい連絡先って嬉しいもんだな…。

少しだけ嫌なことを忘れられて、良い気分でまずは叶くんに文字を打つ。
勝手に名前呼んじゃってるけど大丈夫かな。やっぱり今度本人に聞いた方がいいかな。

「えーと、ごめんね、休み取れそうにないから、ご飯はもう少し先になりそう、と」

送信ボタンを押して、適当に土下座するパンダのスタンプを送っておく。と同時に規読がついた。
そんなに早く見られると思っていなかったので、何故か焦りながらも返信を待つ。

すると、ピコン、と軽快な音と共にメッセージが届いた。

叶そうですか…
叶僕らはいつでも大丈夫なので、お仕事頑張って下さい!
　
どこまでいい子なんだろう…。

叶くんの優しさと励ましにやる気が出てきた。俺が頑張らないと、彼らと仲良くなることも出来ないじゃないか…!



……いや、今のは決して仲良くなりたい、とかそういう下心では無くて…

誰に言うことでもなく、頭の中で焦って、空いた手で急いで葛葉くんにメッセージを送った。
また会いたいな。

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