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新天地 ページ21

キラキラと、まるでカブトムシを見つけた小学生男児のように段ボールを見つめる2人を無視して、携帯を取りに行く。
しかし、思っていたところに無く、首をかしげる。こっちから音鳴った気がしたのに。


もしかしたら玄関に行った時に置いたのかも。

「ねぇ、2人とも!そこらへんに俺の携帯ないー?」

えー、と声が聞こえたので、探してくれるのだろうと思い、玄関のところに戻る。
あったも何も言わないので、またどこにやったか考えていると、葛葉くんが俺の携帯を覗き込んでいる。一緒に叶くんも、無言で画面を見つめていた。

「あったならあったって言ってよー。てか何見てんの?変なの見てないよね?」

邪魔な段ボールを足で押し退け、2人の前に来る。すると、葛葉くんがぱっと画面を体に押し付け、隠した。
え、と意味が分からずにいると、叶くんと葛葉くんがコソコソと話し始めた。

「え、なんで隠すの」
「……っスー、反射、的な…?」

ちらりと俺の様子を伺うように視線を寄越すので、さっと携帯を奪って画面を見る。

「あ、」
「なんなの?俺なんか変なもの調、べたっ、け………え」

画面に写っていたのは、誰かからの新着メール。差出人は、ANYCOLOR………って、もしかして、






「ごーかく、つうち……」

「…ナイスぅ!!!」
「やったじゃん!壮真!合格だよ、僕ら、一緒に仕事出来るよ!!」

叶くんが、痛いくらいに背中を叩く。葛葉くんが、珍しく、ニッコニコですっごく嬉しそうだ。

あれ、なんでだろ、俺も嬉しいはずなのに。

涙が止まんないや。


「っふ……う、…っ」

泣きながら、面接の後と同じように2人に強く抱きつけば、背骨が折れそうなくらい抱きしめ返された。
やったね、よくやったね、って言われるたびに、もう出し尽くしたはずの、涙が溢れた。

本当に、目が溶けるんじゃないかってくらい泣いた。多分、多分だけど、こんなに泣くのはきっと、最初で最後だと思う。


会社を辞める、勇気を出して良かった。あんな劣悪な環境にずっと居たら、きっとこんなに素敵な出会いも、喜びで泣くことも無かった。
ただ、毎日誰かを羨んで生きていくだけだっただろう。



今日は物凄く、最高な日だ。少しお酒の度数が高くても大丈夫。
部屋は、上機嫌な話し声が、明け方まで響き続けた。

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gibyaso754(プロフ) - 名前変換できるようにして欲しいです (1月22日 8時) (レス) @page4 id: 1e4176b142 (このIDを非表示/違反報告)
はーしーですよ。(プロフ) - その後2人が楽しく配信出来たのか気になる所!これからも応援します。 (2023年5月9日 22時) (レス) id: 83bbff44cf (このIDを非表示/違反報告)
あおりんご(プロフ) - 33さん» コメントありがとうございます!面白いなんて言っていただけてとても嬉しいです!更新頑張ります! (2022年7月29日 13時) (レス) id: 96896c9c2e (このIDを非表示/違反報告)
33 - めちゃくちゃおもしろかったです!!!!!更新頑張ってください (2022年7月29日 13時) (レス) @page33 id: ce81fe4080 (このIDを非表示/違反報告)
あおりんご(プロフ) - 綺羅さん» コメントありがとうございます!やっとですね笑!楽しんで頂ければ幸いです! (2022年5月25日 22時) (レス) id: 9a72bcc81d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あおりんご | 作者ホームページ:ht  
作成日時:2022年3月30日 17時

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