緊張 ページ17
合格のメールが届いて、飛び上がっていたら、もう面接の日。普通の会社員をやっていたときにはあまり体験出来ない緊張感に、戸惑いながらも高揚感を感じた。
久しぶりにスーツに袖を通し、鏡の前に数分居座り、やっと、ドアノブを捻った。何度もネクタイを閉め直し、まるで新社会人みたい。
俺も初めはこんな感じだったのかな、って少しだけ笑って、足を早める。
場所が分からなくてスマホ片手にうろうろしていたのは少し恥ずかしかったけど、やっと着いたみたいだ。心臓がバクバク鳴って、手は汗ばんできた。
どうしよう。きちんと出来るのかな。
もともと働いてたし、お偉いさんと話す機会もたくさんあったのでそういうことには慣れていたつもりだったけど、それとこれとでは全然事が違った。自分の名前すらも言えない気がして、足がすくむ。
「壮真〜!!」
「う、え!?」
急に、背中に衝撃が加わる。驚いてバランスを崩して、転けそうになった。反射的に振り返ると、叶くんと葛葉くんが帽子やメガネを着けて俺の後ろに立っていた。
「おわあ……気合い入ってんねぇ」
「え……なんで…?」
突然現れた、思いもしない人物たちに驚き、言葉が出てこない。そんな俺に、彼らは笑ってこう言った。
緊張してるだろうと思って。
一緒に居たかったから。
手を引っ張って、俺を建物の中に招き入れる。今まで緊張していたのが嘘みたいに、俺は笑った。この間、一生分緊張したんだから、大丈夫。これまで、どれだけ頑張ったと思ってるんだ。
「ありがとう」
二人にお礼を言って、指定された場所に向かった。二人は、頑張れなんて言わなかった。
ただ、笑って、俺が見えなくなるまで見送ってくれた。
面接は、俺なりに、上手くいったと思う。
やっぱり変わらず緊張していたけど、自分が思うことは全部言えた。少しつまっても、相手の人はゆっくりでいいよって言って待ってくれた。
面接の最後、デビューしたらどんなことがしたいですか、とか好きな色とか聞かれたときは思わず大きい声が出そうになった。だって、それって、もしかしたら…!
廊下を走り抜け、葛葉くんと叶くんに飛び付いていってしまったのは仕方ないことだろう。
__________
オーディションの仕組みが分からないのでこの辺りは深く考えないでください…。
あと、いつになるか分かりませんが、出してほしい方とかいたらコメントお願いします。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2036人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
gibyaso754(プロフ) - 名前変換できるようにして欲しいです (1月22日 8時) (
レス) @page4 id: 1e4176b142 (このIDを非表示/違反報告)
はーしーですよ。(プロフ) - その後2人が楽しく配信出来たのか気になる所！これからも応援します。 (5月9日 22時) (レス) id: 83bbff44cf (このIDを非表示/違反報告)
あおりんご(プロフ) - 33さん» コメントありがとうございます！面白いなんて言っていただけてとても嬉しいです！更新頑張ります！ (2022年7月29日 13時) (レス) id: 96896c9c2e (このIDを非表示/違反報告)
33 - めちゃくちゃおもしろかったです!!!!!更新頑張ってください (2022年7月29日 13時) (レス) @page33 id: ce81fe4080 (このIDを非表示/違反報告)
あおりんご(プロフ) - 綺羅さん» コメントありがとうございます！やっとですね笑！楽しんで頂ければ幸いです！ (2022年5月25日 22時) (レス) id: 9a72bcc81d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
