出会い ページ1
いつぶりだろうか、こんな大失態を犯すことは。きっと俺が社会人になった頃のミスよりも酷い。
本当に恥ずかしい出来事だった。
事の発端は、会社の昼休み。短い昼休みで十分な食事を摂るには、近くのコンビニがピッタリで、俺はよくそこに行っていた。
店員さんも優しいし、時々値引き品もあるので、俺はそこがお気に入りだ。
今日もいつも通り、安価で美味しいたまごサンドイッチを買って、いつも通り帰る…はずだった。
「(…あれ、俺の財布が無い…!?)」
レジで会計をしようと商品を渡し、お金を出そうとすると、愛用している革の財布が無いことに気づく。
持ってきたはずなのに、と必死に探しても全然見つからない。心なしか、レジのお姉さんの視線が冷たくなっているような気がしてきた。
なんでこういうときの店員さんって冷たく感じるんだ…!もし俺がコンビニの店員になったら大丈夫ですか?とか言うぞ!
そんな八つ当たりをしながら焦ること数分。そろそろ冷や汗が止まらなくなってきたとき「あの」と、誰かから声を掛けられた。
「はい…?」
「さ、財布…ポケットに入ってます、けど」
振り向くと、茶髪の少し髪の長い子と一緒にいた白髪の男の子が、言いにくそうに俺のポケットを指していた。
思考が停止して数秒、自分のポケットに手を当てて数秒。
一週回って冷静になった俺の頭には、男の子への申し訳なさと羞恥心でいっぱいになった。
「本当にありがとう…!君たちが居なかったらどうなっていたことか…」
とりあえずお姉さんに謝ってお金を払ったあと、会計を済ました二人を掴まえてお礼を言った。
「…いや、別に…」
「僕ら、本当に言っただけなので大丈夫ですよ」
そう言って、茶髪の子は微笑んだ。
なんていい子たちなんだ…!お礼をすると言っても、気にしないで下さいとしか言わない。
俺だったら絶対に飯でも奢ってもらうのに…。
そんなことをしているうちに、時計を見るともうあと五分で休み時間が終わってしまう時刻だった。
「あ、ご、ごめんね!もう仕事だから行かないと…。えっと、連絡先」
時間がある時にでもお礼、というかこんないい子たちに何か食べさせてあげたいと思い、連絡先を貰おうと思ったけど、こんな見ず知らずのおじさんにあげるのもこわいよな、と思いとどまる。
「えーっと…あ!俺、携帯が２つあるんだけど、２つとも連絡先教えとくから、連絡先…教えてくれない?なんか変だな、とか思ったらすぐ通報してもいいから!」
久しぶりに優しくしてもらって、嬉しいのかもしれないな、と俺は他人事に思った。
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gibyaso754(プロフ) - 名前変換できるようにして欲しいです (1月22日 8時) (
レス) @page4 id: 1e4176b142 (このIDを非表示/違反報告)
はーしーですよ。(プロフ) - その後2人が楽しく配信出来たのか気になる所！これからも応援します。 (5月9日 22時) (レス) id: 83bbff44cf (このIDを非表示/違反報告)
あおりんご(プロフ) - 33さん» コメントありがとうございます！面白いなんて言っていただけてとても嬉しいです！更新頑張ります！ (2022年7月29日 13時) (レス) id: 96896c9c2e (このIDを非表示/違反報告)
33 - めちゃくちゃおもしろかったです!!!!!更新頑張ってください (2022年7月29日 13時) (レス) @page33 id: ce81fe4080 (このIDを非表示/違反報告)
あおりんご(プロフ) - 綺羅さん» コメントありがとうございます！やっとですね笑！楽しんで頂ければ幸いです！ (2022年5月25日 22時) (レス) id: 9a72bcc81d (このIDを非表示/違反報告)
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